先日、新生サムライブルーに招集された三笘薫が、FAカップ準々決勝で華々しい活躍を見せた。4部に所属するグリムズビー・タウン相手に三笘は幾度となくチャンスを演出。試合終盤にダメ押しとなる5点目のゴールも決めている。
その活躍ぶりから契約延長や大幅な昇給の噂だけでなく、ビッグクラブからの関心も取り沙汰される日本屈指のドリブラー。この試合では、どのようにして好プレーを連発していたのだろうか。
【映像】三笘薫 リーグで見せた芸術的スルーパスでドンピシャアシスト
この試合で目立ったのは何と言ってもシュートの多さだ。先週行われたリーグ戦ではチーム全体のシュート本数11本のうち、三笘は2本放っていた。しかしこの一戦ではチーム全体で22本のうち5本のシュートを打ち、本数と割合のどちらにおいてもシュート数が増加している。相手が格下ということもあり、果敢に攻めていくことができた結果だろう。試合終了間際に決めた得点シーンにおいても、ペナルティエリアの外ではあったが味方のパスからダイレクトでシュートを放っている。常に相手ディフェンスの背後を狙って裏へ抜け出そうとするシーンも多く見られ、三笘の積極性が光った形となった。
また三笘の持つプレーの幅の広さも十分に発揮されていた。この試合で三笘はボールを持ってから主に3つの選択肢を使い分けている。
1つ目は前述した中へカットインしてのシュートだ。2つ目は深い切り返しから縦に突破し、中央で待つ味方へとクロスを上げる選択肢である。日本代表MFが相手守備陣にとって普段戦い慣れていない選手ということもあり、三笘は持ち前の快足で軽々と突破することができていた。最後の3つ目は少しボールをずらしてから中へのパスだ。このプレーはカットインや縦突破のように極端なものではなく、派手さはないものの、相手はタイミングがずらされるため対応しづらく、中央で決定機を演出する効果的な選択肢となっていた。
このように三笘は3つの選択肢を使い分けるため、対峙する選手にとってはどれをケアすれば良いのかわからず対応が遅れてしまう。特にこの試合で三笘はすべての選択肢を見せており、どれも高い質でプレーしていたため相手守備陣は幻惑され、さぞ苦戦を強いられたことだろう。三笘も幅広いプレーをすることができるという自身の強みを存分に発揮することができ、持ち味が光った試合となった。チームもFAカップ準決勝へと駒を進めることに成功し、素晴らしい一日となったはずだ。悲願のタイトル獲得まであと2勝。日本代表戦士はブライトンにトロフィーをもたらすことができるのだろうか。
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