将棋界の“ファンサの神” 菅井竜也八段、目指すは「将棋ファンの幸せ」も「イメージ通りだと強いチームにならない(笑)」/将棋・ABEMAトーナメント
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 目指すは「将棋ファンの幸せ」!?将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」のドラフト会議が4月1日に放送される。振り飛車党の大エースとして叡王戦五番勝負にも出場する菅井竜也八段(30)の今大会での目標は、何とも壮大なものだった。前々回は居飛車党の大先輩、前回は振り飛車党の先輩を自軍に選んだ菅井八段。昨今、神対応のファンサービスが話題を呼び、将棋界を明るく照らすトップ棋士がさらに幸せを運ぶべく指名するのはどんなメンバーか。

【映像】笑顔でチーム構想を語る菅井竜也八段

 対局中の鋭い表情に対し、盤を離れればやんちゃな笑顔とギャップが魅力の菅井八段。昨今では、その親しみやすいキャラクターと手厚いファンサービスをより一層解禁し、応援層を拡大させている。その大声援を背に、第8期叡王戦五番勝負への挑戦権を獲得。現在、最も勢いのある棋士と言っても過言ではない。

 これまで2大会でリーダーを務め、第4回では郷田真隆九段(52)と深浦康市九段(51)、第5回は久保利明九段(47)と佐藤和俊七段(44)と先輩棋士をそれぞれ指名。「前々回も郷田先生、深浦先生にうまくまとめてもらって、前回も久保先生だったので、一回も(チームを)まとめてないです(笑)」と笑った。前回大会は、自身のアイデンティティとも言える“振り飛車党”をテーマにチームを組んだが、チーム糸谷とチーム斎藤に敗れ、「早々に敗退してしまい残念でした」と振り返った。

 “若手有利”と言われる早指し戦。持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算というフィッシャールールの戦いでは新鋭棋士たちが着実に戦果を挙げている。菅井八段自身も「瞬発力の勝負」と語り、団体戦として開催された3大会で17勝9敗の好成績を残している。しかし、「30代、40代、50代の方が勝っていたり、経験値もものを言うのがこのフィッシャールール。そのあたりが不思議だなと思います」と過去の大会を通しての印象を語った。

 これまでの指名では、明確に“先輩”、“居飛車党”、“振り飛車党”とカラーを見せてきた菅井八段だが、「振り飛車縛りでいくと決まった人になってしまうんですよね」と現時点では今回のテーマは不明瞭なようだ。その中でぼんやり描くのは、「チーム動画も全部含めて、みんなが力を発揮しやすいチーム」。恒例となっている動画撮影に適した棋士に照準を合わせることになりそうだ。しかし盲点もあるようで、「自分のイメージ通りに行くと、あんまり強いチームにならないと思うんですが…(笑)」と苦笑いを浮かべる場面もあった。

 過去のチーム動画では、居合切りやバーンゴルフなどに挑戦。「変わったことをやってみたいと思いますね」。菅井八段と言えば、筋トレを日課とするなどハードな一面も知られているが、すでに今年トライしたい企画を描いているのだろうか。「言うと実現するからなあ(笑)。バンジージャンプとか、あんなんは嫌ですね。ジャンプして終わりみたいなのは(笑)」。リーダー自ら企画のハードルを爆上げしたとあり、期待値はナンバーワンと言えるだろう。

 メンバー選びもチーム動画も、菅井八段の軸にあるのは「将棋ファンに幸せな気持ちになってもらいたい」という思いただひとつ。その構想を実現させるべく、菅井八段がメンバーに選ぶのはどんな棋士か、心躍らずにはいられない。

◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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