数千万万円の高級車ランボルギーニ、フェラーリなどを所有。マンションも購入。
居酒屋を貸し切ってドンペリを飲み、キャバクラ・クラブでは1日で1000万円以上使う。
これらは、楽天モバイル元部長らが詐欺で得たお金の使い道である。
彼らは楽天モバイルに100億円もの実損を与え、豪遊していた。その期間は3年に及ぶ。
ではなぜ、楽天モバイルは気づくことができなかったのか? テレビ朝日社会部 警視庁担当の増田亮央記者に聞いた。
――まずは今回の事件の「お金の流れ」は
「詐欺を行ったのは、楽天モバイルの元物流管理部長・佐藤友紀容疑者(46)、業務委託先の物流会社 日本ロジステック元常務取締役の三橋一成容疑者(53)、下請けの運送会社TRAIL(トレイル)社長の濱中治容疑者(49)の3人です。
楽天モバイルの基地局建設に関わる部材を倉庫で預かり工事が決まったらそこから出荷するという流れにおいて、資材の保管や輸送を日本ロジステックに委託、TRAILが配送を担当していました。
3人の容疑者は2019年以降、三橋容疑者が常務を務めていた日本ロジステックを介して、およそ100億円近くを水増し請求し、この半分のおよそ50億円が佐藤容疑者の元に渡っていたとみられます」
水増し請求が明らかになった後、楽天モバイルとTRAILが取引を停止したことで、実害を受けた下請け企業も存在する。
楽天モバイルの基地局の建設を請け負っていた株式会社信和は8億5000万円もの被害を受けた。
結果、未払いで会社の資金が枯渇し、従業員をやめさせざるを得ない状況に陥った。
――今回の事件、どのようにして発覚したのか
「楽天モバイルが去年9月2日に公式発表したコメントには、『社内で判明し、警察に相談のうえ、既に告訴状を提出し、捜査に全面的に協力しております』と記されていました」
――なぜ監視機能は働かなかったのか?
「5G参入に対して、他のキャリアと熾烈な競争のなか、基地局の整備が遅れており、社内では焦りもあったとのこと。事業全体としても2022年1~3月期をピークに顧客減少へと転じ、同年7月には話題を呼んだ『0円プラン』も廃止に。顧客離れに追い打ちを掛けたとみられます。急速な成長を追い求めるあまり、管理面がずさんになっていた可能性もあります」
――管理面がずさんと感じられる事例は
「楽天モバイルの基地局の建設を請け負っていた株式会社信和の堤社長は、『基地局建設の部材を信和の倉庫にそのまま残し、担当者と連絡も一切取れなくなった。そんな状況で、国民の財産である電波を預けていいのか』と話をしていました」
――早い段階で違和感を抱いた人が佐藤容疑者に進言できなかったのか
「佐藤容疑者には独裁的な一面があったそうなのです。輸送に必要な特殊な車を、実際よりも多くチャーターしたとする架空のチャーター料などを水増し請求していた際も、誰もが高くて不自然と思いながらも、『上で決まったことだから』と取り合わなかったことが関係者への取材でわかっています」
――今後の楽天モバイルの展望は
「先月14日の発表に出席した三木谷会長兼社長は、今後について携帯電話事業のコストを大幅に削減し、今年中に単月黒字化を目指すと話しています」
(『アベマ倍速ニュース』より)