“ジャガーポーズ”でおなじみの快速FW浅野拓磨がFIFA ワールドカップ カタール 2022に引き続き代表メンバー入りを果たした。浅野は昨年のワールドカップでドイツ代表を相手に値千金の逆転ゴールを挙げるなど日本代表の決勝トーナメント進出の立役者となった。サムライブルーは24日にウルグアイ代表、28日にコロンビア代表との強化試合に臨むが、その中で浅野はどのような起用となるのだろうか。
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後半戦に入りようやく復調
今季、ブンデスリーガのボーフムでプレーする浅野は、決して良いシーズンを送っているとは言えない。昨年9月には内側側副靱帯を断裂。ワールドカップ直前まで離脱を余儀なくされており、コンディションが万全ではないままでの本大会出場だった。
この怪我の影響もあり、開幕から自身9試合連続で得点に関与できず、チームも降格圏に沈むなど、最悪のスタートダッシュだった。しかし、先月のホッフェンハイム戦で今季リーグ戦初ゴールを決めると、3月10日のケルン戦でアシストを記録。そして直近のライプツィヒ戦で決勝点に関与と着実に調子を上げている。こうした復調が考慮されて、今回もサムライブルーに名を連ねたのだろう。
大一番で結果を残したスピードスター
ドイツとの大一番で逆転ゴールを決めたスピードスターはワールドカップ前のABEMA独占インタビューで、2016年のキリンカップ決勝、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦が転機だったと語る。チャンスのシーンで自分でシュートにいかなかったことでビッグチャンスをものにできず、敗北したのだ。
その結果、現在の積極的にシュートにいくプレースタイルが出来上がったのだろう。ブンデスリーガでもシュートを打つスペースを見つけることができれば、多少強引でもシュートまで持っていくシーンが多々見られる。
この積極性が良い方向に転んだのがドイツ代表との昨年のワールドカップ初戦だ。板倉滉のロングボールに対して相手ディフェンスの裏に抜け出すと、強引にドリブルで持ち運び、ゴールまであまり角度がない中で右足を一閃。名手ノイアーのニア上を抜く劇的ゴールで、日本に重要な勝ち点3をもたらしたのだ。新たな代表チームでも積極的なシュートで相手ゴールを脅かしてくれることだろう。
日本代表での立ち位置は?
代表チームでの起用法であるが、ワールドカップ時と同様にトップの位置にはセルティック所属の前田大然が配置されることになりそうだ。新生・森保ジャパンでもハイプレスを繰り出すとなれば前田に代わって浅野の流れが予想される。
途中出場について「途中から出て、勢いをつけないといけない中で、なかなかそういう仕事が果たせなかったかなと思いますし、もっとやらないといけないことが増えたと思います」と語っている。一方で所属チームでは右のウイングを担うことが多く、ユーティリティ性も持ち合わせたアタッカーである。様々な起用法を試すこともできるだろう。
また今回の代表戦では吉田麻也や長友佑都、酒井宏樹ら経験豊富なベテラン勢の招集は見送られた。そのため同じ試合で代表デビューを飾った遠藤航とともに最も古くから日本代表メンバーに名を連ねる選手となり、チームを牽引する立場としての立ち回りにも期待されている。特に今回は初招集の選手も多く、そうした雰囲気づくりでも重要な役割を担うだろう。
浅野拓磨はサムライブルーの新たな船出において欠かせない選手になることはできるのだろうか。2026年に向けた勝負が始まる。まずは東京・大阪の地で“ジャガーポーズ”を見せてほしい。
(ABEMA/ブンデスリーガ)
今回発表された日本代表メンバーは以下の通り。
▼GK
シュミット・ダニエル(シント・トロイデン/ベルギー)
大迫敬介(サンフレッチェ広島)
谷晃生(ガンバ大阪)
▼DF
板倉滉(メンヘングラートバッハ/ドイツ)
冨安健洋(アーセナル/イングランド) ※町田浩樹(ユニオン・サンジロワーズ)が追加招集
伊藤洋輝(シュトゥットガルト/ドイツ)
橋岡大樹(シント=トロイデンVV/ベルギー)
角田涼太朗(横浜F・マリノス)※
瀬古歩夢(グラスホッパーズ/スイス)
菅原由勢(AZアルクマール/オランダ)
バングーナガンデ佳史扶(FC東京)※
半田陸(ガンバ大阪)※
▼MF/FW
遠藤航(シュトゥットガルト/ドイツ)
伊東純也(スタッド・ランス/フランス)
浅野拓磨(ボーフム/ドイツ)
守田英正(スポルティング/ポルトガル)
鎌田大地(フランクフルト/ドイツ)
西村拓真(横浜F・マリノス)
三笘薫(ブライトン/イングランド)
前田大然(セルティック/スコットランド)
堂安律(フライブルク/ドイツ)
上田綺世(サークル・ブルッヘ/ベルギー)
田中碧(デュッセルドルフ/ドイツ)
町野修斗(湘南ベルマーレ)
中村敬斗(LASKリンツ/オーストリア)※
久保建英(レアル・ソシエダ/スペイン)
※は初招集選手