2週間に渡って開催された『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』は、22日に行われた決勝でアメリカを3対2で制した日本の優勝で幕を閉じた。
大会期間中に話題となったのが“ペッパーミル・パフォーマンス”。ラーズ・ヌートバー外野手が所属するカージナルスで流行った、“胡椒引き”を回すパフォーマンスが侍ジャパンに導入されると、瞬く間に大ブームに。ペッパーミルの売り上げが急増したという報道が反響の大きさを露わにしていた。
サッカー界でもゴールと共に、ゴール後の様々なパフォーマンスがファンを魅了している。そこで今回は、プレミアリーグの選手たちが披露している5つの代表的なゴールパフォーマンスを紹介する。
[写真]=Getty Images
■ジェームズ・ウォード・プラウズ(サウサンプトン)
プレミアリーグ歴代屈指のプレイスキッカー、ジェームズ・ウォード・プラウズは“ゴルフセレブレーション”でお馴染みだ。2月18日に開催されたプレミアリーグ第24節チェルシー戦で、同リーグで通算17回目となる直接フリーキックによるゴールを叩き込んだウォード・プラウズ。デイヴィッド・ベッカム氏の持つ歴代最多記録(18ゴール)まであと1本に迫った。
サウサンプトンのキャプテンが2020年10月エヴァートン戦からゴール後に披露し続けているのがゴルフスイングだ。息子のオスカー君に頼まれたことに加え、その試合の翌日に当時チームメイトだった元イングランド代表FWダニー・イングス(現ウェストハム)と一緒にゴルフをする予定だったことがきっかけだという。ただ、最終的にイングスの予定が変わり、一緒にゴルフには行かなかったため、「どちらにしても息子に捧げるよ!」と宣言したウォード・プラウズ。アカデミーから所属するサウサンプトンは現在プレミアリーグの最下位に低迷。愛するクラブを1部リーグに残留させるためには、残り10試合で何度もゴルフスイングを披露する必要があるだろう。
■グラニト・ジャカ(アーセナル)
今月16日に行われたヨーロッパリーグ(EL)・ラウンド16セカンドレグで、スポルティングに対して19分に先制ゴールを決めたグラニト・ジャカ。アーセナルのスイス代表MFがこの時に見せた奇妙な動きがソーシャルメディアで話題となった。
手のひらを開いて親指を鼻の先に付け、指を小刻みに動かす動作を見せたジャカ。後にこれは娘に捧げられたジェスチャーだったことが判明した。妻のレオニータ・レカイさんは、娘のアヤナちゃんがジャカの動きを真似する様子を撮影した動画をインスタグラムのストーリーに公開。「約束通りアヤナの為にゴールを決めた最高のパパ」というキャプションを添えている。残念ながらPK戦の末にELからは敗退したアーセナルだが、プレミアリーグでは好調を維持。スポルティング戦の3日後に行われたクリスタルパレス戦では4-1の快勝を収め、2位マンチェスター・Cに勝ち点8差をつけてインターナショナルブレイクに突入した。なお、その試合でもジャカはゴールを決め、同じパフォーマンスを愛娘に捧げている。
■マーカス・ラッシュフォード(マンチェスター・U)
こめかみに右手の人差し指を当てるクールなポーズが、マーカス・ラッシュフォードのゴールパフォーマンスとして定着している。今季マンチェスター・Uの公式戦ですでにキャリアハイの27得点をマークしているラッシュフォード。ワールドカップ後は特に好調で、25試合で19得点と快進撃を続けている。
昨シーズンは開幕前に肩の手術を受けて出遅れたラッシュフォード。復帰後もなかなか結果を出せず、2015-16シーズンにトップチームでデビューして以降で自己ワーストとなるプレミアリーグ4得点でシーズンを終えていた。そんなラッシュフォードが本来のプレーを取り戻すことができた背景には、メンタルの改善があったようだ。現在のゴールパフォーマンスについてクラブOBリオ・ファーディナンド氏は、「メンタル的なものだそうだ。今ではゴールを決めた世界中の子供たちがやっている。それがラッシュフォードの持つインパクトだ」と説明。ラッシュフォード自身も先月の取材の中で、「フットボールとは恐らく95パーセントがメンタルだ。自分にとってはメンタルがピッチ上でのパフォーマンスのベースとなる」と語るなど、メンタルの重要性を強調している。
■ソン・フンミン(トッテナム)
昨季プレミアリーグの得点王の一人、ソン・フンミンが“カメラセレブレーション”を行う理由には同選手のフットボール愛が溢れている。以前は両手でハートマークを作ったり、元チームメイトのデレ・アリと連携したゴールパフォーマンスを行ったりしていたソン・フンミン。ここ数年はゴール後にチームメイトたちと喜びを分かち合った後で、指で四角を作って写真を撮るようなポーズが定着している。
トレードマークとなったカメラポーズについてソン・フンミンは、昨年4月に受けた『スカイスポーツ』のインタビューで次のように答えている。「1年くらい前に何か特別なセレブレーションはないかと考えたんだ」と前置きした韓国代表FW。「カメラセレブレーションにしたのは、ゴールは良い思い出だからだ。素敵な思い出が心の中に残るように、写真を撮っているような感じだよ」と説明。ソン・フンミンの心の中のアルバムは自身のゴールに歓喜するチームメイトとサポーターの笑顔で埋め尽くされている。
■ハリー・ケイン(トッテナム)
左手の薬指にキス。愛妻家として知られるハリー・ケインにこれ以上相応しいジェスチャーはないだろう。2月5日のプレミアリーグ第22節マンチェスター・C戦で決めた決勝弾で、プレミアリーグ史上3人目となる通算200ゴールを達成したイングランド代表FW。同じゴールでトッテナムでの公式戦通算得点数は「267」に到達し、元イングランド代表FWジミー・グリーブス氏を抜いて、クラブの歴代最多スコアラーとして名前を刻んだ。
その後もゴールを重ねるイングランド代表キャプテンが得点後に必ず行うのは、テーピングで保護した左手薬指のリングへのキスだ。本人は明言していないが、初めてこのセレブレーションを行ったのがケイトさんと結婚した2019年であることから考えても、妻に捧げる行為であることは間違いないだろう。幼馴染だった2人は2005年にデートを開始し、今では3人の子供に恵まれている。毎年のように移籍が噂されるケインだが、妻よりも付き合いの長いトッテナム愛も貫くのだろうか。
(記事/Footmedia)