39歳を迎えた元日本代表MF長谷部誠のフランクフルトでの旅は終わらない。
21日、ブンデスリーガに所属するフランクフルトの長谷部は日本で記者会見を行い、40歳となる来シーズンも現役としてプレーを続行することを発表した。今シーズンは怪我で前半戦の大半を棒に振りながらも、ウィンターブレイク明けからスタメンに返り咲き、現在6位と高位置につけるフランクフルトで主軸として活躍している。
1月の時点では「今のところは非常に調子がいいのですが、1月2月が実際にどうなっていくかはまだわかりません。あまり良い感覚が得られなくなれば、そのときはやめます。3月には決めますよ」と明かしていた。そんな元日本代表キャプテンが現役続行を決断した理由とは何だったのか。
長谷部誠が40歳になるシーズンでも現役続行を決めた理由とは
約1年前に2027年夏までコーチ契約を含めて延長した際には、選手としては2022-2023シーズン限りで引退する可能性があるのではないかと多くのメディアで報じられていた。しかし、今回の会見で40歳となるシーズンでの現役続行を表明した。
長谷部は、「1年前は99%引退するだろうと話していたが、今年はそれが99.9%くらいに上がったかなと思う。現役である今を、サッカーを楽しんでいきたい」と話した。フランクフルトには2014年夏に30歳で加入しており、10年目のシーズンに突入することとなる。
現役続行を決めた理由の1つとして、「UEFAチャンピオンズリーグ(CL)の決勝トーナメント1回戦のナポリ戦」で2試合とも出場せずに敗退したことを挙げ、「試合に敗れたことと、試合に出られなかったことの二重の悔しさがあったし、その悔しさを感じたことに喜びがあった。このチームでまたチャンピオンズリーグに出たい、大きなことを成し遂げたいと改めて思った。競争も含めてサッカーをする楽しさが消えることはなかったし、より成長したい、上手くなりたい」と語った。
フランクフルトでの皇帝(カイザー)今シーズンもチームの主軸
今季の長谷部は怪我の影響もあってリーグ戦での出場機会が減少中ではあるが、周りの選手に対してポジショニングをコーチングして守備陣を牽引するなどチームへの貢献度は高く、日本代表で培ったリーダーシップは健在である。
さらに今季はCLにも出場。グループステージを突破してベスト16進出に大きく貢献した。長谷部は年齢を重ねても、その実力を維持し、チームにとって欠かせない存在であることは間違いない。
2024年夏に契約が満了するときには40歳となる。クラブ公式サイトによるとウリ・シュタイン(39歳5か月17日)が保持するフランクフルトの最年長ブンデスリーガ出場記録を更新する可能性もあるそうだ。
長谷部から吉田と継承された日本代表主将は誰が引き継ぐか
長谷部は2010年FIFAワールドカップ南アフリカ大会の直前に当時の岡田武史監督からキャプテンに任命されると、約8年間もの間、日本代表を支えてきた。
日本代表の精神的支柱のポジションはその後、長谷部から吉田麻也に引き継がれ、長年にわたって安定したキャプテンシーを発揮してきた。
ただ、キリンチャレンジカップの2023ウルグアイ戦とコロンビア戦には、吉田が招集されておらず、この試合で誰が主将を務めることになるのか注目が集まる。
その新主将には遠藤航が引き継ぐ可能性が高いのではないかと推測されている。遠藤は、今回招集されたフィールドプレイヤーでは最年長で、2018年のFIFA ワールドカップロシア大会を唯一経験している。また、ドイツ1部ブンデスリーガ所属のシュトゥットガルトでは2シーズン連続でチームキャプテンを任されており、リーダーシップにも定評がある。
ただ、森保一監督は、15日の会見で今後のキャプテンについて、「まだ全く、すぐに決めなくてもいいかなと思う。1人最初から決めるというより、活動しながら、決めていくことをしたい」とも語っている。第二期・森保ジャパンで、長谷部、吉田と受け継がれてきたキャプテンを誰が担っていくのかにも注目したい。