日本代表・三笘薫はプレミアリーグ20試合で6得点4アシスト、公式戦では27試合で9得点6アシストとイングランドの地で躍動している。これだけ活躍すれば、当然ながら市場価値も高まる。『Transfermarkt』が算出する市場価値では、現在2200万ユーロ(約30.8億円)の金額をたたき出している。日本人では鎌田大地(フランクフルト)、冨安健洋(アーセナル)に次ぐ高さだ。そんな三笘薫はどんなキャリアを歩みながら、自らの価値を高めてきたのだろうか。
【映像】三笘薫独占インタビュー ブライトンでの活躍と日本代表について初激白
デビュー2シーズンで市場価格は2.5億円に
三笘のルーキーイヤーは2020年、筑波大学から川崎フロンターレでプロ選手としてのキャリアをスタートさせた。デビュー当時はわずか50万ユーロ(約0.7億円)の市場価値だったが、Jリーグ1年目から13得点12アシストの大活躍を見せたことで、その価値は大きく上昇。Jリーグではトップクラスとなる160万ユーロ(約2.2億円)まで価値を高めた。
デビュー2年目もシーズン前半戦だけで8得点4アシストと、“2年目のジンクス”を一切感じさせない圧巻のパフォーマンスを披露。8月にはプレミアリーグのブライトンへの完全移籍が発表された。当時の市場価値は180万ユーロ(約2.5億円)だったが、川崎フロンターレにはそれを大きく上回る3億ユーロ(約4.2億円)の移籍金が支払われた。
欧州1年目の活躍で3.5億円の価値へアップ
ブライトン加入1年目は、当時、日本代表歴がなかったこともあり労働許可証(VISA)が降りず、オーナーが同じベルギーのロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズへとローン移籍。加入当時は途中出場の起用がほとんどだったが、後半の頭から起用されたスラン戦でハットトリックを達成したことで序列がアップした。
また、Jリーグ時代は左ウイングでの起用が多かったが、ユニオン・サン=ジロワーズでは3-5-2の左ウイングバックとしても重宝された。この経験が三笘の守備力アップにつながっており、後にプレーする日本代表やブライトンでも活きている。
結果的に欧州1年目は公式戦28試合で8得点4アシストと、左ウイングバックでの起用が大半だったのにも関わらず、多くの得点に関与。およそ1年間で市場価値を180万ユーロ(約2.5億円)から250万ユーロ(約3.5億円)まで高めた。
今季開幕から約半年で「780%」の急騰
2022年夏にブライトンに復帰してからのパフォーマンスは記憶に新しいだろう。特にロベルト・デ・ゼルビ監督が就任してからは、チームに欠かせない絶対的な選手となっていった。同政権で初先発した第14節チェルシー戦から現在まで、出場した試合で得点関与がなかったのは13試合中4試合しかなく、その間、6得点4アシストを記録しているのだ。
昨年11月から開催されたFIFAワールドカップカタール2022の活躍もあって、三笘の市場価値はみるみるうちに上昇。2022年9月に300万ユーロ(約4.2億円)、11月には600万ユーロ(約8.4億円)、ワールドカップ後の12月には850万ユーロ(約11.9億円)に到達。そこから現在までの大活躍により、最新の市場価値では2200万ユーロ(約30.8億円)まで急騰した。シーズン開幕時から考えると、780%もアップしているのだ。
上昇し続ける三笘薫の市場価値
現在、三笘は日本代表の左ウイングでトップとなる2200万ユーロ(約30.8億円)の市場価値を見出されているが、世界を見渡すとそのポジションの1位はヴィニシウス・ジュニオ-ルの1億2000万ユーロ(約168億円)、2位はフィル・フォーデンの1億1000万ユーロ(約154億円)と彼らとの差は大きく開いたままだ。
しかし、市場価値の差ほど、三笘とヴィニシウスやフォーデンの間に実力差はないだろう。長年、欧州のトップレベルで継続して活躍しているからこそ、ヴィニシウスやフォーデンは高い数字を見出されているのであり、三笘はまだ1シーズン戦いきっていない。
直近のように、得点やアシストを継続して記録することが自身の価値を高める近道であり、1シーズンを戦いきっていない時点でこれだけ価値が急騰しているということは、この先も大きな伸びしろがあることを意味している。
これまでの日本人最高額は現在の鎌田大地と2020年7月の久保建英の3000万ユーロ(約42億円)だ。三笘が、彼らの持つ記録を更新する日もそう遠くないだろう。
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