日本代表・板倉滉のリーダーシップに期待
【映像】日本代表・森保監督が明かしたシステムと選手の起用法

 今夜、キリンチャレンジカップ2023 ウルグアイ戦で始動する新生・日本代表。「第2期・森保ジャパンのキーマン」を考える上で、中心選手になっていくことを承知で、今回は三笘薫久保建英を対象外にして3人を選んだ。そうは言っても、FIFA ワールドカップ カタール 2022を経験した選手たちがチームのベースになるのは間違いない。

【映像】日本代表・森保監督が明かしたシステムと選手の起用法

板倉滉のリーダーシップに期待

 その中でも注目したいのがDF板倉滉だ。フローニンゲン(オランダ1部)、シャルケ(当時ドイツ2部)、メンヘングラートバッハ(ドイツ1部)と、欧州で着実にステップアップしながら、日本代表でもコパ・アメリカ、東京五輪などを経験して、ディフェンスラインの中心的な存在までのぼり詰めた。対人守備に自信を持つ板倉は、冨安健洋が代表でのセンターバックではなくアーセナルで右サイドバックを務めていたり、今回は怪我で代表を辞退したりといった状況もあるなかで、ディフェンスリーダーとしての期待が高まっている。

 吉田麻也、酒井宏樹、長友佑都が外れ、ディフェンスラインで最年長となった板倉は「まず26歳で最年長かって思ったのが正直な気持ちですけど、年齢は関係ないし、ワールドカップを経験したメンバーが中心となっていかないといけない気持ちはすごく強い」と語る。

 現時点で森保一監督はチームキャプテンを誰に任せるかを明言していない。順当ならMF遠藤航も有力だが、3年半後のワールドカップを29歳で迎える板倉は継続的に試合に出て、チームを後ろからまとめていく存在になれるという意味で有力候補かもしれない。ただ、キャプテンマークを巻いても巻かなくても、彼にはリーダーシップの発揮に期待ができる。

“三笘のオプション”を超える中村敬斗

 2人目のキーマンは、初招集の選手から中村敬斗を推したい。やはり三笘がFIFA ワールドカップ カタール 2022だけでなく、その後のプレミアリーグでも存在感を高めていくなかで、世間から「三笘のチーム」と呼ばれていくかもしれない。もちろん、そういったビッグスターが日本から出てくるのは大歓迎であり、日本代表の攻撃を引っ張ってほしいと思う一方で、悪い意味での依存症になってしまうのは大きなリスクがある。

 そうした状況を解決する重要戦力になりうるのが中村だ。オーストリア1部で11得点4アシストを記録しており、森保監督も「東京五輪世代の監督の時に招集しましたが、彼の成長を見てきて、代表でも戦える力をつけてきている」と期待する。左サイドのアタッカーということで、基本的には三笘に続くオプションと見られるが、向上心の塊でもあるだけに、その位置に甘んじるつもりはないだろう。

 すでにワールドクラスのドリブラーである三笘ほど、単独で突破しきるスペシャリストではないが、ファーストタッチからトップギアに入る仕掛けで、一気にクロスやシュートに持ち込める。それでいて反対サイドのチャンスにファーから飛び込んでいく感覚にも優れており、ゴール前の決め手という意味では三笘にも匹敵する。

 クラブでさらにステップアップし、どれだけ活躍できるかも飛躍のバロメータになるが、まずは日本代表でウルグアイやコロンビアを相手に、どこまで実力を発揮できるか。2019年のU-20ワールドカップなどを戦った同世代の仲間から“宇宙人”と呼ばれたほどに、メンタルの強さは折り紙付きだ。いかに森保ジャパンに溶け込んでいくかにも注目したい。

上田綺世は、真のエースになれるのか

 3人目は上田綺世を挙げる。ベルギー1部のセルクル・ブルージュで14得点を記録している“鹿島産”ストライカーだが、FIFA ワールドカップ カタール 2022を含めたここまでのA代表でゴールを決めることができていない。日本の課題の一つと言われている、1トップのポジション。結果がなによりも評価されるポジションであり、シビアな見方をされるのは仕方ないが、これまでもポテンシャルを見せているだけに、ここから真のエースストライカーとして認められるためにも、立ち上げの2試合でゴールを期待したい。

 ベルギーでは力強さを含め、大きな成長を感じられる。鹿島では阿吽の呼吸でやれた“メッセージが伝わる明確な動き出し”が、なかなか周りに意思が伝わらない理不尽な環境だったところから、徐々に仲間との理解を深めながらシュートチャンスに結び付けてきた。チームメートとのコンビネーションやタイミングが合うほどゴールセンスを研ぎ澄ませていく上田は、少し時間がかかるタイプではある。

 そういう意味で代表チームはより難しい舞台だが、上田も「イメージが合う」と認める三笘をはじめ、久保、堂安律といった東京五輪のチームメートがA代表でも主力になってきているなかで、お膳立ては十分にできている。あとはディフェンスやポストプレーといったタスクを当たり前にこなしながら、ゴールという結果でどう示していくか。同じカタール組である町野修斗はもちろん、パリ五輪世代の細谷真大(柏レイソル)やU-20アジアカップで5得点を叩き出した熊田直紀(FC東京)のような若手も台頭してきているが、上田が結果を残していくことは森保ジャパンにも大きな力になることは間違いない。
文・河治良幸 (c)ABEMA(c)aflo
 

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