14年ぶりに王座を奪還。大谷投手がトラウト選手から三振を奪い、有終の美を飾った侍ジャパン。
1次ラウンドのオーストラリア戦の実況も務めたテレビ朝日の大西洋平記者はWBC 日本優勝の瞬間、フロリダにいた。
「試合が終わってから7時間、ずっと起きています」と話す興奮冷めやらぬ大西記者に“現場の空気”を聞いた。
「今は朝6時です。試合が終わって7時間ほど、ずっと起きています。インタビューを行い、その後の選手の記者会見が午前2時半にあり、それからホテルへ戻りました」
日本優勝の瞬間はどのように迎えたのか?
「試合後のインタビューを行うべく、グランドに入るための列に並んでいました。しかし、目の前にたくさんの海外のメディアの方が埋め尽くしていたため、歓声の中にはいたものの、私の目には全くグランドの様子は見えませんでした。大谷選手の最後のガッツボーズや帽子を投げたシーンは後からテレビで見ました」
アメリカの盛り上がりは?
「これまでのWBCはメジャーリーグの中心メンバーが出ていなかったこともあり国内での人気は実は…と言われることもありましたが、今回はオールスターメンバーが揃っていました。また、3大ネットワークのFOXが放映権を獲ったためにテレビをつけてもFOXチャンネルの生中継があり、ニュースでも多く伝えられました。スタジアムも常に満員で、準決勝の日本対メキシコでも観客が多かったくらいです」
試合前、アメリカは日本チームのことをどのように見ていた?
「先発は今永投手という情報にアメリカメディアは『どうしてダルビッシュじゃないんだ?」と首を傾げていましたね。つまり、メジャーリーグで活躍する選手こそがナンバーワンという認識が強い。一方で、メジャーリーグの選手たちは日本の強さをよく知っていて『アメリカと日本が決勝で戦う。本当にみんなこれを待っていたんだろ?』と複数の選手が言っていました』
試合中、日本の応援が大きく聞こえたが。
「トランペットなど演奏も行う日本の応援団はレフトスタンドの一角に固まっており、その声援はスタジアム中に広がっていました。厳密な数字はわかりませんがアメリカと比べても3対7くらいの割合がいたのでは。とにかくすごい熱量でした」
印象的なインタビューは?
「今後について尋ねられた大谷選手の『日本だけじゃなく、世界に野球が素晴らしいスポーツだとわかってもらいたい。野球人気がもっと高まってもらえれば』という言葉が印象に残っています。野球というスポーツそのもの魅力をとにかくみんなに届けたい。普段からそれを考えてる。そういう意味でもスケールが違う選手だと感じました」
現地での栗山監督の様子は。
「栗山監督はとにかく気遣いの方。私が野球中継のデビューの時の解説が栗山監督で何度かご一緒していたのです。今回のWBCでもベンチ裏や取材の先で会うたびに『大西大丈夫か。緊張してんのか?』と声をかけてくれました。世界一の監督になった時、胸に込み上げてくるものがありました」
WBCを振り返って一言。
「本当に幸せですね。何が幸せってこれが仕事だということです。普段の国内野球の実況では両チームのバランスをとりますが、WBCでは『応援する』という気持ちを前に出せる点もよかったですね」
(『アベマ倍速ニュース』より)