豊島将之九段、ドラフトは「かぶっても仕方がない精神」 競合覚悟で人気棋士指名へ/将棋・ABEMAトーナメント
【映像】今年のチーム構想を語る豊島将之九段

 将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」のドラフト会議が4月1日に放送される。毎年優勝候補と目されながらも、団体戦3期目の昨年初めて予選突破を果たしたのが豊島将之九段(32)だ。今期の目標は「本戦で活躍」。注目のチーム構想については「かぶっても仕方がない精神で行く。自分の課題となっている部分を長所として持っている方を考えてはいる」。“隙なし”の豊島九段の課題とは?それを持っている棋士とは?ドラフトを前に、早くも興味は尽きない。

【映像】今年のチーム構想を語る豊島将之九段

 前回大会では、先輩棋士の丸山忠久九段(52)、深浦康市九段(51)を指名。百戦錬磨のベテラン棋士から「豊島さんが予選で苦しむ姿を見たくなかった」と熱い言葉をかけられ、息の合った“三人四脚”で見事初の本戦進出を叶えた。本戦トーナメントでは初戦でエントリーチームに敗れたが、「チームも打ち解けていてすごく楽しかったし、たくさん練習もしていただいて、お二人がすごく熱く戦ってくださった。自分の公式戦にもすごくいい影響があったし、良い大会だったのかなと思います」と振り返った。

 そうなれば、今期は再結成も!?しかし、「なるべく毎回違う方を指名していった方が、新しさがあって見ている方も楽しいのかなという気がしています」と再選出の可能性は低そうだ。チーム構想については、「自分の課題となっている部分を長所として持っている方を考えています」と語った。『序盤・中盤・終盤、隙がない』と言われる豊島九段の課題とはいかに。この場で明かされることはなかったが、「指名がかぶりそうな気もするので、勝負というか、その場で考えていきたいと思っています」と議上では重複覚悟で意中の人を指名しに行く構えだ。

 前回大会では、一巡目指名で2度くじ引きを外した。それでも“戦場”に飛び込んでいくのは勝負師としての性か。「自信はないです。おみくじ引いたら『凶』が出てしまったので…(苦笑)。でも、ドラフトは指名が被った方が見ている方はおもしろいと思うので、被るのを避けるよりは被っても仕方がない精神で行きたいと思います」と思いを語った。

 大会では、「大会は自分自身の成長であったり、上の方まで勝ち上がっていきたいという気持ちはあります」と豊島九段の視野は広い。「予選は自分は3年連続で苦戦していたんですけど、本戦に出たら割といい内容で指せていた。今年も予選を突破して本戦で活躍できればと思います」。すべては己の成長のために。豊島九段がタッグを組むのは誰か、今から胸の高鳴りが止まらない。

◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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