縦ヒジ一発で、まるで刃物で切りつけられたように額がパックリ。慌てたレフェリーが即座に試合をストップするもアドレナリン全開の選手は痛みを感じずに「WHY? なぜ止める」と不満爆発。猛抗議するも「妥当な判断」「これはナイスストップ」など、レフェリーの判断を支持する声が相次いで寄せられた。
3月24日にタイ・バンコクで開催されたONE Championship「ONE Friday Fights 10」。アントン・ペトロフ(ブルガリア)とルカ・ロンバルド(イタリア)によるムエタイ戦は“閲覧注意”級のヒジ一発TKO決着となった。ペトロフが放った右の鋭利な一撃に実況席も「うわっ、うわぁ…相当深い」と声にならない声を漏らした。
共に初参戦となるブルガリア出身のペトロフとイタリア出身のロンバルド。欧州のトップファイター同士の対決という触れ込みだが、ペトロフは「GLORY」や「マックスムエタイ」といった大きな団体への参加経験もあり一日の長がある。
開始とともにミドルの連打でロンバルドを引きずり倒したペトロフは、重いパンチの連打でロンバルドをロープに追い詰めると、開始1分30秒。ロンバルドのミドルをキャッチしたままボディ、左と叩き込みあっさりとダウンを奪う。
なんとかダウンカウントを凌いだロンバルドに、再びペトロフが襲いかかる。右の鋭いパンチに続きヒジを額に打ち込むと額がパックリ開いて流血。
一瞬で額が”裂ける”衝撃シーンにレフェリーが駆け寄りチェックするも、見た瞬間に「もうダメダメ」と両腕を大きく振って試合を止めた。
戦闘中で痛みが無いのか、ロンバルドは「何故?」手を広げてアピールするが、このレフェリーの判断に視聴者も「妥当な判断」「へこんでる」「これはナイスストップだ」「一発パックリ怖っ」も声を揃えて納得の様子。
問題のシーンのリプレイでは、強烈なヒジで頭が仰け反ると眉毛一本分の長い切り傷が出現。余りにも破壊力のあるヒジに、ABEMAのゲスト解説の後藤丈治は”お手本のようなヒジ”と解説しつつ問題のシーンに「うわっ…うわぁ。ガッツリ切れてますね。相当深い…」と言葉を詰まらせた。
試合後のペトロフは「パンチとヒジで倒した。自分にはパワフルなパンチがあるのは判ってるからね」と自信満々。「対戦相手のボディを何発か貰っていましたが?」という質問には「全然、痛くも痒くもなかったよ」と最後までコメントからは余裕が感じられた。