ホセル

 スペイン代表デビュー戦で2ゴールを挙げたFWホセル(エスパニョール)が、喜びを爆発させた。25日に欧州サッカー連盟(UEFA)公式サイトがコメントを伝えた。

 現在32歳のホセルは、セルタの下部組織出身。一時はレアル・マドリード・カスティージャに所属したもののトップチームでは出場機会を得られず、ブンデスリーガプレミアリーグのクラブを転々とする異色のキャリアを歩んできた。2019年夏に加入したアラベスで3シーズン連続リーグ戦2桁得点の活躍を披露し、昨年夏からエスパニョールに加入。今季のラ・リーガでもコンスタントに得点を積み重ね、3月の代表戦でついにA代表初招集となった。

 25日に行われたEURO2024予選グループA第1節ノルウェー代表戦ではベンチスタートとなり、1-0のリードで迎えた81分に途中出場からデビューを飾った。すると84分、ファビアン・ルイスのクロスに頭で合わせて代表初ゴールを記録。さらにその1分後、ゴール前のこぼれ球に詰めて“ドブレーテ”(1試合2得点)を達成し、3-0の勝利に貢献した。

 ホセルは試合後、「まだ信じられない。デビュー戦で2ゴールなんて、どんな選手にとってもキャリアで起こりうる最高の出来事だと思う。キャリアを通じた日々の努力の積み重ねが報われた」と心境を吐露。次のように周囲の人々への感謝を述べた。

「幸福感に浸っているときは、妻、お母さん、子供たちに感謝したい。彼らは皆、僕を支えるために多大な努力をしてくれて、ここにいることができたんだ。(ピッチに入る前、すねあてにキスをするルーティンについて、)右のシンガードには、安らかに眠れという思いを込めてお父さんの写真を、左には妻、子供たち、そしてお母さんの写真を貼っているんだ。彼ら全員が僕に力を与えてくれる」

「就任初戦で僕を信頼してくれたルイス・デ・ラ・フエンテ監督にも感謝しなければならない。彼に報いるため、全力を尽くそうと思った。今は18歳の少年に戻ったような気分だ。年齢なんて関係ないと僕は考えているし、それを証明する素晴らしい1日だ」

 UEFAによると、スペイン代表デビュー戦で2得点を挙げたのは、現役時代にレアル・マドリードなどで活躍したフェルナンド・モリエンテス氏以来、25年ぶりの快挙となる。モリエンテス氏は1998年3月25日のスウェーデン代表戦で先発出場して代表デビューを果たすと、2分に先制点、6分に追加点を挙げた。ちなみにモリエンテス氏は代表2キャップ目となった北アイルランド代表戦でも2ゴールを挙げていたが、果たしてホセルはこの“再現”を起こせるのだろうか。スペイン代表は次節、28日に敵地でスコットランド代表と対戦する。

【ハイライト動画】ホセルがデビュー戦でドブレーテ! スペイン 3-0 ノルウェー