やられたらやり返す壮絶な殴り合い。バックブローでの衝撃KOも、毎試合のように命を削るかのごとく戦うオープンフィンガーマッチの申し子に対して、解説のグラドルからは「血尿が心配」などの声が上がった。
3月26日に東京・有明アリーナで開催されたRISE「RISE ELDORADO 2023」で、山口裕人(道化倶楽部)とタリソン・フェレイラ(ブラジル)がオープンフィンガーマッチ(OFGマッチ)で対戦。2ラウンドで計6つのダウンが乱れ飛ぶ文字どおりの死闘の末、山口が海外からの刺客をバックブローで完全KOしてみせた。
オープンフィンガー戦が代名詞となった、”クレイジーピエロ”こと山口と、フルスイング上等のスタイルから“ブラジルのクレイジーサイクロン”といった異名を持つタリソンの狂人対決は、その謳い文句どおり倒し倒される壮絶な喧嘩マッチとなった。
1ラウンド、いきなりパンチをぶん回すタリソンに、グラつき尻餅で最初のダウンを奪われた山口だが、格闘ジャンキーのごとくニヤリと満面の笑み。これでスイッチが入ったか、パンチの脅威をかい潜り、数十秒後にはフルスイングの右でダウンを奪い返す。
すると、タリソンもすかさず反撃。飛びヒザを叩き込むが、勢いに乗った山口が右のオーバーハンドで2度目のダウンを奪う。このままでは終わらないタリソン。ヒザの連打からハンマーのように振り落とす野生的な一撃で山口から2度目のダウンを奪ってタイに持ち込んだ。
1ラウンドの3分間で4つのダウンが乱れ飛ぶ状況に実況席も大興奮。直樹、宮城大樹、志田音々の3人ゲスト解説も語彙を失い「わー」しか叫ばない異常事態。ABEMAの実況・清野茂樹アナウンサーから「ジェットコースターじゃないんだから…」とツッコミが入るほどの展開に突入した。
2ラウンド、殴り疲れが見えるタリソンにボディを叩き込み優位に立った山口だが、アッパー、左右のブンまわしフックをモロに受けて3度目のダウンを喫する。それでも命知らずの山口はどんどん前に出てノーガードの打ち合いを展開。
直樹も「ガードしなきゃ。クレイジーだよ」と驚きを隠せないが、この無茶なスタイルが山口の真骨頂。ヒザの嵐にボコボコになりながらの反撃にタリソンの目から力が失われていく。すると2ラウンド終了間際、山口の高速バックブローが顔面を捕らえ、タリソンがダウン。心が折れたか…そのままマットに寝転んで戦闘不能となった。
試合前にOFGマッチについて「過去の4試合連続、試合が終わったら血尿だった」とインパクトあるコメントを残した山口だったが、この日の戦いは間違いなく試合後に血尿が止まらなかったであろう過酷な内容。
直樹が「鳥肌半端ないわ…」と言葉を詰まらせれば、宮城は「こんな試合そうそうない」と一言。さらに「初のOFGマッチを見ててハラハラした」と語った志田が、続けて一番言わなそうなコメント「山口選手の血尿が心配です」とポツリつぶやいた。
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