立ち技格闘技イベント「RISE」年間最大のイベント『Cygames presents RISE ELDORADO 2023』(26日、東京・有明アリーナ)のミドル級(-70kg)タイトルマッチで、王者イ・ソンヒョン(韓国)と、挑戦者同級1位海人が対戦。3分5Rの末、海人が3-0の判定勝ちで新王者に輝いた。

 両者は19年9月、SB(シュートボクシング)の舞台で対戦しており、接戦の末に海人が5R判定勝利を収めている。それから4年、ソンヒョンはRISEミドル級チャンピオンを獲得し、この試合はベルト、そしてリベンジをかけた一戦に。一方の海人は、「国内敵なし」とも評される野杁正明をも下し、現在16連勝中と破竹の勢いが続く。ベルトに加え、“対世界”への切符を掴むためにも、避けては通れない相手だ。

 1Rから中央で打ち合う両者。海人は序盤から積極的に素早いジャブ、カーフキックを打ち込み、展開を有利に進める。ソンヒョンも負けじとストレートを打ち込んでいくものの、「効いていない」とばかりにノーガードで、自信満々に近づく。ラウンド終盤には海人がパンチでラッシュをかけ、ソンヒョンの動きが止まったところでゴング。オープンスコアリングシステムを採用しているこの試合、最初の判定は3人の審査員すべてが海人に軍配をあげた。

 2R、さきほどのラウンドから続くように、海人がペースを握る。左ボディ、左右の膝蹴りなど多彩な攻撃を繰り出し、王者を翻弄していく。解説席の直樹(第7代RISEライト級王者)も、「一試合一試合、どんどん技が増えていきますね」と称賛。それでも、ガードが固いソンヒョンの牙城は崩せず、ドローの判定が下される。

 3Rは両者とも攻撃を出し合う展開に。ソンヒョンはアッパー、海人はボディのパンチと、一進一退の攻防が繰り広げられる。50戦以上の経験がある者同士、ハイレベルな内容となった。オープンスコアは2名がイーブン、1名は海人を10-9で支持。

 4Rも先ほどのラウンド同様、お互いが引かずに打ち合い、スリリングな展開が続く。後半から、海人はセコンドの「三日月(蹴り)!」の指示を受け、前蹴り、ヒザなどをソンヒョンのボディに入れる。2名が10-9で海人を支持、1名がイーブンとした。

 そして最終5R。ゴングが鳴る前にリング中央で抱き合う二人。「良い試合をしてくれてありがとう」という称え合う気持ちなのか、異例の光景が広がった。そこからは、両者気合全開。目の前の好敵手を打ち負かそうと、ありったけの力を込めた打撃を打ち込む。それを見ていた解説の直樹は「こんなに熱くなっている海人選手はじめて見ました。カッコいいですね」と、素直な感情が口をついていた。

 結果、終始攻撃の手を緩めなかった海人が判定勝ち。新たにRISEの看板を背負うこととなった王者は、マイクで「自分的にはまだ満足行っていません。ベルトを持った以上、もっともっと強くなります。そして世界一に必ずなります。シュートボクシング、RISE、僕をよろしくお願いします!」と、高らかに宣言。“新時代”の幕開けを予感させる好試合となった。

原口健飛、“世界照準”の豪快ハイキック!「ISKA、RISEのベルトが世界最強ということを証明する」
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白鳥大珠、佐々木大蔵をストレートの判定勝ちで破りマイクで意気込み
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