LINEで「チャットGPT」登録90万人超 「AI共存時代」に必要なのは“正しい日本語”?
【映像】LINE上で3日分の献立を考えてくれる「ChatGPT」
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 小説などの高度な文章作成や人との会話などができるとして、大きな注目を集めている「ChatGPT」が手軽に使えるサービスが登場した。このサービスがわずか半日でリリースできたのにもChatGPTが関わっているという。開発した「株式会社picon」CEOに話を聞いた。

【映像】LINE上で3日分の献立を考えてくれる「ChatGPT」

「日本人でChatGPTを知ってる人はまだ30%くらいしかおらず、実際に使ったことがある人は8%ほどというデータが出た。“便利なのに知らない”人がまだまだいる。多くの日本人が使っているLINEで提供できれば、多くの人が気軽に使えるのではないかと考えた」(株式会社picon 山口翔誠CEO)

 LINEで友だちに追加するとChatGPTが使えるようになるサービス「AIチャットくん」。言葉を投げかけるだけでChatGPTによる答えを返してくれる。

「ChatGPTの本家は、ビジネスの用途で使っている人が多い。AIチャットくんはLINEから使えるので、『今日の献立を考えて』という相談だったり『仕事に疲れたから癒して』といった会話まで、24時間自分の話を聞いてくれるカジュアルな友だちのような使い方ができる」

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 使いこなせば本格的な仕事の相棒としても、なんでも相談に乗ってくれる親友としても活用できるというAIチャットくん。最後に、使い方のコツを聞いた。

「ChatGPTは2021年までのデータでできたAIだ。現在のことを聞いても答えをもらえないケースがある。且つ、回答を用意するために使っているデータは日本語よりも英語のものが多い。イメージとしては“日本語がペラペラな過去の外国人”だろう。例えば、これから朝型になって朝たくさん仕事をしたいと思った際に『どうしたら朝型になりますか』『どういう習慣を身につけたら将来うまくいきますか』という質問をするとかみ砕いて教えてくれる。

 AIチャットくんは、『検索』で使われている方が多いが、検索よりも考えることが得意だ。『今日の献立を考えて』『小説・歌詞を書いて』など、何かの企画のアイデアやプログラムのコードを書いてもらうなどの使い方をする方がいいだろう」

 文章作成やアイデア出しなどのほか、友だち感覚で雑談することも気軽にできる。利用者は、リリースから10日で50万人を突破し間もなく90万人に達する勢いだ。

 AIチャットくんについて、ニュース番組『ABEMAヒルズ』に出演したキャスター取締役CROの石倉秀明氏は次のように考えを述べる。

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「ChatGPTの元になっている『GPT』というAIは、Apple Storeなどにあるアプリのような“インフラ”になっていくだろう。アプリを作って配信することは誰でもできるようになった。それと一緒で、誰もがAIを使った何かしらのアプリやサービスを作ることができるようになっている。スマホアプリがそうであったように、これからは雨後の筍のように、GPTなどのAIを使ったサービスがたくさん生まれるのではないか」

 また、石倉氏はこうしたAIとの“共存”について「一部の人を除いて、ほとんどが上手く使えてないだろう」と話した。

「(ChatGPTも)どう使うか直感的にわからないし、欲しい答えをくれないこともあるだろう。それは、GPTなどのAIに理解させるための“正しい指示”を出すことが難しいからだ。先程のプログラムについても『言語を指定して、予め決めた仕様で書いてください』と、人間側で指定した動きを作らせている。まさに“日本語を使ってプログラミング”しているようなものだろう。これからは、指示出しの能力をどう上げるかによってAIサービスを活用できる広さや幅は変わっていくのではないか。

 人に指示する場合は『あれやっといて』などでニュアンスを汲み取ってもらえていた。しかし、機械には一つひとつ指示を出す必要がある。機械がわかる順番で指示を出せるようにならなければAIを使いこなせない。今後は、正しい指示を出すための『言語力』や『論理的思考力』など、ベーシックな人間としての能力をどう磨くかが問われていくのではないか」

(『ABEMAヒルズ』より)

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