日本が誇る稀代のMF鎌田大地の果たして去就はどうなるのだろうか。
鎌田は2017-2018からフランクフルトに加入して以降、その大半をドイツでプレーし、結果を残してきた。
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2020-2021シーズンにはブンデスリーガ全体で3位となる13アシストを記録。攻撃陣を牽引した。今季もリーグ戦24試合に出場して7ゴール5アシストという数字を刻むなど、クラブにとっては欠かすことのできない存在だ。
しかし近年はその活躍から多くのビッグクラブの注目の的となっており、今夏限りで現行契約が満了になることも相まって、移籍の噂も絶えない。現地紙『ZDF』によると、フランクフルトのスポーツディレクターを務めるマルクス・クレーシェ氏は「我々のもとから去っていくだろう」と発言。日本代表MFの今夏での退団は近づいていると言えるだろう。
過去にどのようなクラブから噂が上がっていたのか
そんな去就が取り沙汰される鎌田は、過去にどのようなクラブから噂が上がっていたのだろうか。直近ではフランクフルトと同じブンデスリーガに所属する強豪ドルトムントから興味を示されていた。他にも、かつて本田圭佑も在籍し、昨季はイタリアでリーグ優勝を成し遂げたミランや、スペインの名門バルセロナ、イングランドの強豪チェルシーなど多くのビッグクラブから熱い視線を集めている。
それもそのはずで、『transfermarkt』によれば日本代表MFは、その市場価値が3000万ユーロ(約42億円)にも達しており、ヨーロッパでも屈指の実力者だ。加えて夏にフランクフルトとの契約が切れるため、フリーで獲得できる超優良物件なのである。このように多くのクラブが鎌田の争奪戦に参加していることから、現段階ではまだ情報が錯綜している。そのため26歳のMFがどのクラブを選択するのかは依然として不透明な状況だ。
ドルトムント:中盤の高い位置でチャンスメイクとフィニッシュを担う役割?
ドルトムントは鎌田の移籍先の中でも有力候補の一つだ。一時は今夏での加入が決定的という報道も出ていたほど、ドイツの強豪は日本代表MFに熱い眼差しを送っている。というのも来季は中盤の層が薄くなることが予想されるからである。MFダフードが契約満了で退団確定であることや、絶対的な主力であるイングランド代表・ベリンガムも移籍の可能性があることから、ドルトムントは鎌田のような質の高い中盤の獲得が急務なのだ。
ではかつては香川真司も在籍していた日本人になじみのあるクラブで、日本代表MFはどのような活躍を残せるだろうか。第一に同一リーグ内の移籍となるため、環境への適応が容易であるだろう。さらにドルトムントは実力者が揃う強豪クラブであることから、ボールを握る試合が多く、鎌田の強みであるチャンスメイクが活きやすいと予想される。
また攻撃的なMFが積極的にPA内に飛び込んで得点に絡むのも特徴的で、得点力に定評のある26歳のMFにとっては活躍しやすい場所かもしれない。これらのことから移籍が実現すれば、中盤の高い位置でチャンスメイクとフィニッシュを担う役割を与えられるだろう。
ミラン:レベルの高い攻撃的なMFの獲得が必要
一方でイタリアの名門ミランではどうだろうか。ミランでは今季から加入した選手や、レンタルから復帰した選手が苦戦していることから、トップ下を務めるブラヒム・ディアスに大きな負担がかかっている。そのためイタリアの名門もレベルの高い攻撃的なMFの獲得を必要としており、鎌田が候補に挙がっているのだ。
ミランはフランクフルトと同様に積極的な前からのプレスを基本戦術としている。またトップを務めるフランス代表FWジル―はポストプレーが上手く、得点力のある日本代表MFがゴール前に駆け上がる時間を作ることも可能だ。ゆえにジルーとのパス交換ができる比較的高い位置での起用が予想される。鎌田にとって、戦術における親和性が高いミランへの移籍は良い選択肢ではないだろうか。
いずれにせよここでは紹介できなかったクラブも含め、ポテンシャル十分な鎌田であれば大きな活躍を残すことができるだろう。しかし、まだシーズンは終わっていない。まずは現在所属するフランクフルトでの活躍に期待である。
(ABEMA/ブンデスリーガ)