グレアム・ポッター監督

 チェルシーは2日、グレアム・ポッター監督の解任を発表した。

 チェルシーは昨年9月に成績不振や上層部とのチーム編成をめぐる齟齬が生じたことなどから2020-21シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)優勝などに導いたトーマス・トゥヘル前監督を電撃解任。後任にはブライトンからポッター監督を引き抜いたものの、ケガ人続出の影響もあり手腕を発揮することはなかなかできず。

 チャンピオンズリーグ(CL)では準々決勝進出を果たしているものの、プレミアリーグでは28試合終了時点で10勝8分け10敗(就任後は7勝7分け8敗)で勝ち点「38」にとどまり、4月1日に行われた第29節アストン・ヴィラ戦に0-2で敗れたことで順位は11位に後退した。

 このような結果を受け、サポーターから解任を求める声が大きくなっていたなか、チェルシーは2日にポッター監督の解任を決断した。なお、チェルシーはポッター監督が円滑な移行を促進するために、クラブと協力することに同意していることも明らかにし、コーチを務めていたブルーノ・サルトール氏が暫定ヘッドコーチとしてチームを指揮する予定であることも発表した。

 ポッター監督の解任を受け、チェルシーのトッド・ベーリー会長とベハダ・エグバリ共同経営者はクラブ公式サイトで以下のようにコメントしている。

「クラブの全員を代表して、グレアムのチェルシーへの貢献に心から感謝をしたい。私たちは監督として、また一人の人間としてグレアムに最高の敬意を抱いている。彼は常にプロフェッショナリズムと誠実さをもって行動してきたので、この結果には全員が失望している」

「素晴らしいファンたちとともに、我々はブルーノとチームをサポートしながら、残りのシーズンに集中していくつもりだ。プレミアリーグは残り10試合で、チャンピオンズリーグ準々決勝も控えている。シーズンを最高の形で終えられるようにすべての試合に全力で取り組んでいく」

 現在47歳のポッター監督は、スウェーデン4部のエステルスンドで監督キャリアをスタートさせた。就任から5年で1部リーグ昇格を果たすと、2017年にはカップ戦を制覇。2017-18シーズンのヨーロッパリーグではベスト32に進出する快挙を成し遂げた。その功績が認められ、2018-19シーズンはスウォンジー(イングランド2部)を指揮した。

 2019年夏にブライトンの監督に就任すると、3シーズン連続でプレミアリーグ残留を達成。徐々に戦術を整えて昨季を9位で終えると、今季は開幕から4勝1分1敗の好スタートを切ったが、昨年9月にチェルシーへの移籍を決断。しかし、チェルシー就任後の公式戦31試合指揮で12勝8分け11敗にとどまり、成績は低迷していた。

 なお、データサイト『OPTA』によると、ポッター監督はプレミアリーグでの1試合あたりの平均勝ち点が「1.27」となり、これはチェルシーで20試合以上を指揮した監督の中でグレン・ホドル氏と並んでクラブ史上最低記録だという。

 さらに、イギリスメディア『Squawka』では、チェルシーを率いた直近5人の指揮官の下でのプレミアリーグのホーム試合の勝率も、アントニオ・コンテ氏(73.7%)、マウリツィオ・サッリ氏(63.2%)、フランク・ランパード氏(53.6%)、トゥヘル氏(50%)と比較してポッター監督(36.4%)が圧倒的に低いことが紹介されており、結果を残すことができない状況が続いていた。