チェルシーは、現役時代に長年同クラブで活躍し、元指揮官でもあるフランク・ランパード氏を招へいすることが決定的となっているようだ。5日、イギリスメディア『BBC』や『スカイスポーツ』などが伝えている。
チェルシーは昨年9月にトーマス・トゥヘル前監督を電撃解任し、ブライトンからグレアム・ポッター監督を引き抜いた。チャンピオンズリーグ(CL)では準々決勝進出を果たしているものの、プレミアリーグでは28試合終了時点で10勝8分け10敗(就任後は7勝7分け8敗)で勝ち点「38」にとどまり、4月1日に行われた第29節アストン・ヴィラ戦に0-2で敗れ、順位が11位に後退したことで、2日にポッター監督の解任を発表した。
現在はコーチを務めていたブルーノ・サルトール氏が暫定ヘッドコーチとしてチームを指揮しているが、4日に行われたプレミアリーグ第8節延期分のリヴァプール戦は0-0で終わり、白星を飾ることができなかった。
新指揮官の招へいに動いているチェルシーは、現在フリーのユリアン・ナーゲルスマン氏やルイス・エンリケ氏、マウリシオ・ポチェッティーノ氏のほか、スポルティングのルベン・アモリム監督らを後任候補にリストアップしていることが明らかになっている。しかし、徹底的に議論をしてから、長期的に指揮を執る指揮官を決めたいチェルシーとしては早急に後任を決断する予定はなく、今季終了後の招へいも視野に入れていることが報じられている。
それでも、次戦の8日に行われる第30節のウルヴァーハンプトン戦後には、12日にチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝でレアル・マドリードとの一戦も控えているなど、重要な試合を残していることから、ポッター前監督とともにブライトンから引き抜いたサルトール氏がチームを率いるのではなく、クラブのレジェンドに託すことを決めたようだ。
報道によると、4日に行われたリヴァプール戦をスタンドで観戦していたランパード氏は今シーズン終了までの暫定指揮官となることを受け入れたという。また、イギリスメディア『アスレティック』ではアシュリー・コール氏、ジョー・エドワーズ氏、クリス・ジョーンズ氏らコーチ陣の入閣も決定的になっていることが伝えられている。なお、正式発表は時間の問題となっている模様で、8日に行われるウルヴァーハンプトン戦からベンチに座ることになりそうだ。
現在44歳のランパード氏は、現役時代にチェルシーやイングランド代表で活躍。ニューヨーク・シティで現役引退後、ダービーで監督キャリアをスタートし、2018-19シーズンの2部チャンピオンシップでは昇格争いを演じた。
2019年夏、監督としてチェルシーに復帰。1年目は補強禁止処分を受けたなかでメイソン・マウントら若手を抜てきし、チャンピオンズリーグ出場権の獲得に成功した。しかし、2シーズン目は大型補強を行いながらも結果が出ず、2021年1月に解任された。
2022年1月にエヴァートンの監督に就任し、1年目はギリギリでプレミアリーグ残留を掴み取ったが、今シーズンはプレミアリーグ第21節終了時点で降格圏の19位に沈んでいたことから、今年1月23日に解任となっていた。