「そんなに食べたら太っちゃう」と言われて育つ? 日本の美の基準は…世界的トップモデルのSNS投稿から考える
【映像】「大きすぎ」で仕事キャンセル「痩せ=美」は変わらない? 内面の美をどう計るべき?
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 バーバリーやルイ・ヴィトンなど、世界的なブランドで広告塔を務めたトップモデル、ジーン・キャンベルのSNS投稿に注目が集まっている。

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「これは大手ブランドから大きすぎるという理由で仕事をキャンセルされた私が深夜に撮った写真だ。自分が無価値であると思わされた。この体が大きいと考えるなんて控えめに言っても衝撃的だ」
「サイズによって美しさを測ることがいかに意味のないことかを表している。どんなサイズであろうと大事なのは内面だ」
(※ジーン・キャンベルのInstagramより一部)

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 近年、減量や体型維持のために、拒食症になってしまうモデルが出るなど、過酷な環境が問題視されている。2017年にはグッチやルイ・ヴィトンが「痩せすぎたモデルは起用しない」と発表。フランスでも同様に起用を禁じる政令が施行された。

 ニュース番組「ABEMA Prime」に出演した体重100kgオーバーのプラスサイズモデル・えみっくすさんは「性別は関係ないかもしれないが、1人の女性がこういった写真をあげるまで追い詰められているのはすごく胸が痛む」と話す。

 一方、海外のコレクションにも出演し「身長158cmのスーパーモデル」として活躍するHarunaさんは「身長の低さから、夢を語っても笑われた。モデルの世界は高身長しか認めてもらえない。160センチ以上ないとファッションショーには起用してもらえない。ただ、最近は時代が変わってきて、身長や年齢の壁がどんどんなくなってきている」と変化を実感しているという。

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 EXIT兼近大樹は「内面も含め、ジーン・キャンベルさんが求められなかった話ではないか」とコメント。

「モデルは服を美しく、目立たせるための職業で、本人が目立つための職業ではないはずだ。ブランドのイメージがあるのに、服とは関係なく『私はこう』と主張している。『コンセプトとは違うので別の人を選びます』ということだ。それを汲み取れなかったのではないか」

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 モデルカウンセラーの豊川月乃さんによると「“痩せ”が必要なのは特にコレクションモデル。『服を売る』ことが目的だが、そのために“憧れ”が必要。痩せて手足を長く小顔を強調し、“希少価値”を生む必要がある」という。一方で「最近は“生き方”が希少価値になるモデルもいる」と話す。

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 コラムニストの河崎環氏は「今まで特に女性は、どうしても“見られる性”だった」と指摘する。

「この数十年、美の基準が画一的だった。今、多様性の時代になっていろいろなモデルさんが出てきて、それぞれに美の基準がある。こういう形で美について討論するのはいいことだと思う。私は健やかさと美しさは2つで1つだと思っている」

 その上で「女性は小さい頃から自分のサイズをものすごく気にする」と話す。

「うちの母は違ったが、お母さんから体型を言われ続けたり、友達や女性の先生から『そんなに食べ過ぎたら太っちゃうわよ』と言われたりする。女の子は『160センチ、48キロ』が標準的でかわいらしい、愛されるサイズだと。私は身長も高く、体つきも骨がすごくしっかりしているから、求められないサイズだ。特に、日本社会は美のあり方、受け入れられる女の姿として画一的な基準を持っていた。結局は自己肯定感が一番大事で、自分のボディに自信を持っているかどうかだ」

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 プロデューサー・慶応義塾大学特任准教授の若新雄純氏が「モデルが拒食症になるまで痩せる体をキープすることが、モデルではない人たちの生活にまで影響を与えているのか?」と質問すると、河崎氏は「大いに影響している」と回答。

 その上で、若新氏は「なぜみんな『モデルのようにならないといけない』と思ってしまうのか」と疑問を投げかける。

「『モデルが多様であっていい』より『モデルのように生きる必要はない』というメッセージのほうが大事な気がする。テレビに『この人はモデルなので真に受けてはいけない』とテロップをつけた方がいいと思ってしまう」

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 @cosmeの調査では、多様性を尊重したブランドや企業を応援したいという人は64.7%いたが、「その商品を購入したいか?」という問いに「やや思う」「思う」と答えた人は41.1%だった。

 若新氏は「売りたいのはあくまでも服ではないか。『こういう体型になろう』ということではない。モデルの存在は、僕らにとって仮面ライダーみたいなものだ。仮面ライダーは、すごく高い所からジャンプするが、僕らは高くジャンプできない。それを『仮面ライダーのように飛べなければいけない』『火の中を突っ込んで行かないといけない』と思って、境界が曖昧になっていないか」と述べた。(「ABEMA Prime」より)

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