【プレミアリーグ】トッテナム2-1ブライトン(日本時間4月8日/トッテナム・ホットスパー・スタジアム)
日本代表・三笘薫が所属するブライトンは、イングリッシュ・プレミアリーグ第30節でトッテナムと対戦した。三笘の日本人選手シーズン最多記録「8点目」と、直接得点関与「6試合連続」のクラブ記録、2つの記録更新が期待されたが、トッテナムが優位に立ち、試合は思わぬ展開に。「ここまで格の違いを見せられるとは予想しなかった」とはABEMAの解説で元北朝鮮代表FW鄭大世氏。「予想外だった」ブライトン6試合ぶりの敗戦を振り返った。
【映像】マクアリスター→三笘薫の素晴らしい連係からネットを揺らす
6位・ブライトン(勝ち点46)と5位・トッテナム(勝ち点50)は、ブライトンが2試合消化数が少ないため、実質的には差がない状況。来季の欧州リーグ戦、あるいはさらに上位を狙う両者の“シックスポインター”は、明確に戦い方の構図が分かれる展開となった。
「ビルドアップを得意としカウンターには弱いブライトンと、リーグで一番のカウンターを誇るトッテナム。ポゼッションではやはりブライトンでしたが、効率的な攻撃で試合を支配したのはトッテナムでした。個の力、プレスの激しさ。スイッチが入った時の躍動感。トッテナムが一枚上手と感じた試合でした」
スコアの変遷は、10分にソン・フンミンのゴラッソでトッテナムが先制し、34分にダンクのヘディングでブライトンが同点としたものの、79分にハリー・ケインの一撃でスパーズ(トッテナムの愛称)が勝ち点3を手にした。その間、ブライトンは、16分に三笘薫のシュートに持ち込む際のトラップが、54分にウェルベックのフィニッシュが味方の腕に当たったとして、VARによって2つのボックス内のハンドで得点が認められなかった。
鄭大世氏は、「ブライトンは効率的にシュートまで持っていけていましたが、三笘のハンドを含め取り消された2つの場面が大きく響いた」と決め手を語る。特に三笘がフィニッシュに持ち込んだシーンは「マクアリスターのパスが絶妙だった」と決定的な場面だったとした。一方で、「プレミアリーグ通算100得点がかかるソン・フンミンのこれ以上ないスーパーゴールに、激しいプレスからのショートカウンターで最後はハリー・ケイン。役者の違いだった」と、トッテナムがブライトンを上回ったポイントを強調した。
その上で鄭大世氏はマン・オブ・ザ・マッチにスウェーデン代表の22歳MFデヤン・クルセフスキを挙げる。「ソン・フンミンと言いたいところですけど、クルセフスキは何度もカウンターの起点になっていたので」とその理由を明かす。トッテナムのカウンターがいかに重要だったかを伝えるものであり、試合を分けたポイントがそこにあったということだ。
とはいえ、この試合は少し予想から外れた展開だったようで、「トッテナムがもっと守備的にくると思いきや、かなり前からプレスではめ込んでGKにまでプレスをかけていましたし、ブライトンがかなりやりにくそうだったことは予想できませんでした」と話した。
特に2023年に入ってから6勝4分2敗と好調を維持し、内容でも相手を凌駕する戦いぶりを見せていたブライトンが、打開策を見出せなかったことには「ほぼ圧倒してきたブライトンがここまで格の違いを見せつけられるとは予想もできなかった」とコメントした。鄭大世氏がそう振り返るほど、スコア以上にトッテナムの試合巧者ぶりが出た一戦だった。
(ABEMA/プレミアリーグ)