一方的に殴られてるのにレフェリーのストップがかからない厳しい展開。戦意喪失にもかかわらず、レフェリーの非情な采配で続いた「地獄の5分間」。弱々しいタックルに視聴者から「仙豆あげて」「セコンドさっさとタオル投げて」といった悲痛な声が飛び交った。
５月７日にタイ・バンコクで開催されたONE Championship「ONE Friday Fights 12」。キアヌ・スッバ（マレーシア）とヌルザマン・エシュバエフ（キルギス）の試合は一方的な試合の末にエシュバエフが判定勝ち。2ラウンド終了間際、ボコボコ状態で試合をほぼ諦めたファイターにレフェリーが続行を指示。残り1ラウンド、あまりにツラすぎる5分間に同情の声が寄せられた。
マレーシアのMMAファイター兄弟の弟、キアヌ・スッバ。前回は「格闘技代理戦争」出身のユン・チャンミンに敗れているが、再起戦は初参戦のキルギス人ファイターであるエシュバエフとの対戦となった。
1ラウンド、早々とスッバが右アッパーで倒すシーンが見られたが、エシュバエフがとっさの判断で引き込みに成功。腕を取って難を逃れる。その後のスタンドの攻防ではエシュバエフが圧倒。フックの連打を次々と当てると視聴者から「スッバは（これだけ貰って）よく倒れない」「効いてるぞ、効いてる」といった声が並ぶ。
2ラウンド、前ラウンドの手応えがあるエシュバエフは強打のフルスイング一辺倒に。大ぶりながらストレート、ヒジ、ローと打撃を散らし、そのほとんどがことごとく着弾。たまらずスッバが組みを狙うが、非情にも顔面にはエシュバエフのヒザが降り注いだ。
組めないと悟ったか、スタンドの攻防に切り替えたスッバだが、さらに連打を浴びて返り討ちに。振っても当たらないパンチ、倍の威力で返ってくる打撃にスッバ陣営から「ジャブとキック」とゲキが飛ぶが…連打に耐えきれず尻もち。残り15秒、ノーガードで飛び込むと右フックを貰いついにダウン。エシュバエフは試合を決めるべく鉄槌を連打した。頭が揺れるボコボコの状態だが、レフェリーは止めずに静観。ここはゴングに救われるも、スッバの表情から覇気は感じられない。
そんな様子にABEMAゲスト解説・中田大貴も「スッバ選手はもう内向きになってますね。あのときも（パウンドのとき）本来は動かないとダメな状況を、受けていた印象がある」と、すでに心が折れているとの見解。
3ラウンド、スッバは気持ちも気力も落ちたか、スピードは大きくダウン。手が出ない状況に鬼レフェリーは追い打ちをかけるように「アクション、アクション」の声。組むすらできない弱々しいタックルに「セコンドさっさとタオル投げて」「仙豆をあげて」と同情的な声が聞かれる中、地獄の5分間を耐え抜くと、スッバに対して「よく倒れなかった」と労う声が殺到。ダウンは逃れたが、大差の判定負けを喫した。
