プレミアリーグ第30節が9日に行われ、リヴァプールとアーセナルが対戦した。
今節最大のビッグマッチが日曜日に実現した。現状の成績は両チーム対照的だ。リヴァプールはプレミアリーグ3戦未勝利となっているが、アーセナルは7連勝中。だが、アーセナルはリヴァプールの本拠地『アンフィールド』を苦手としており、最後にプレミアリーグで勝利したのは2012年9月まで遡る。昨シーズンは0-4と大差で敗れており、プレミアリーグ優勝に向けては負けられない一戦だ。
アーセナルは4-1で勝利した前節のリーズ戦からスターティングメンバー1名を変更。コンディションの関係でスタメンを外れていたブカヨ・サカが先発に戻ってきた。一方、リヴァプールは4日に行われ、スコアレスドローで終わった第8節延期分のチェルシー戦からスターティングメンバー5名を入れ替え。コンディションが整ったフィルジル・ファン・ダイクが先発に復帰し、同試合でベンチスタートとなっていたトレント・アレクサンダー・アーノルドやモハメド・サラーらもスタメン入りを果たした。
試合は立ち上がりからアーセナルが悪くない入りを見せると、8分には早々に先制に成功。ベン・ホワイトからのパスを受けたサカがドリブルでボールを持ち運んで横へ預ける。マルティン・ウーデゴーアのリターンパスはファン・ダイクに阻まれたものの、こぼれ球がガブリエウ・マルティネッリの元へ。細かいタッチでペナルティエリアに侵入し、最後は右足で流し込み、アーセナルが“鬼門”で先手を取った。
主導権を握ったアーセナルは17分、低い位置でボールを引き出したジェズスが右サイドへ展開。サカがクロスボールを送ると、走り込んだジェズスがファーサイドで合わせたが、シュートはわずかに枠を外れた。続く28分にはグラニト・ジャカからのスルーパスでマルティネッリが左サイドを突破。右足に持ち替えてクロスボールを送ると、ペナルティエリア中央にポジションを取ったジェズスがヘディングシュートを叩き込む。アーセナルが大きな追加点を記録した。
対するリヴァプールは35分、敵陣でロブ・ホールディングのパスをカットしたジョーダン・ヘンダーソンが背後のスペースへスルーパスを通すと、抜け出したサラーがスピードに乗ってペナルティエリアに侵入。左足でフィニッシュを狙ったが、シュートは枠を捉えきれなかった。42分にもリヴァプールにチャンス。ディオゴ・ジョッタのポストプレーからコーディ・ガクポが繋ぐと、カーティス・ジョーンズがペナルティエリア左に侵入。外側を回ったジョッタをシンプルに使い、ダイレクトでマイナスに折り返すと、ヘンダーソンがダイレクトで方向を変える。最後はサラーが押し込み、リヴァプールが1点を返した。
流れに乗ったリヴァプールは前半アディショナルタイム、敵陣ペナルティエリア手前でのボール奪取からヘンダーソンが右へ浮き球のボールを繋ぐと、サラーの落としからアレクサンダー・アーノルドがクロス。ファーサイドへ走ったジョッタが左足で合わせたが、ここはGKアーロン・ラムズデールに防がれた。前半はこのまま終了している。
後半に入るとリヴァプールにビッグチャンスが到来。52分、左コーナーキックからゴール前で混戦が生まれると、ペナルティエリア内でホールディングがジョッタを倒してしまい、リヴァプールにPKが与えられる。キッカーを務めるのはサラー。ゴール左下を狙った低弾道のシュートはわずかに枠を外れ、リヴァプールは絶好機をモノにすることができなかった。
続く56分にもリヴァプールが“らしさ”溢れる攻撃を披露。自陣でボールを奪ったところからアンドリュー・ロバートソンが持ち運び、左足でクロスボールを送る。ファーサイドでボールを収めたサラーは左足で強烈なシュートを放つも、GKラムズデールが立ちはだかった。
60分には負傷から戻ってきたチアゴ・アルカンタラとダルウィン・ヌニェスを投入。その後もリヴァプールが試合の主導権を握り、アーセナルを脅かす展開が続くも、なかなかゴールをこじ開けることができない。81分にはサラーのスルーパスに抜け出したヌニェスが決定機を迎えるも、飛び出してきたGKラムズデールに阻まれた。
猛攻を続けるリヴァプールは87分、ペナルティエリア手前でクリアボールを拾ったサラーがヘンダーソンへ繋ぐと、右サイド高い位置を取ったアレクサンダー・アーノルドへボールが渡る。対峙したジンチェンコをかわしてクロスボールを送ると、ファーサイドで待っていたロベルト・フィルミーノがヘディングシュートを沈めた。途中からピッチに立った“9番”が大仕事をやり遂げ、リヴァプールが土壇場で試合を振り出しに戻した。
後半アディショナルタイムにはリヴァプールに逆転のチャンスが訪れる。サラーやイブライマ・コナテがゴールに迫るも、またもGKラムズデールがファインセーブを見せる。直後にはカウンターでアーセナルが前に出たが、マルティネッリのサカを狙ったスルーパスは飛び出してきたGKアリソンに阻まれた。
試合はこのままタイムアップ。リヴァプールは本拠地『アンフィールド』で勝利こそ飾れなかったものの、後半の怒涛の攻撃で勝ち点「1」を積み上げた。一方でプレミアリーグでは4戦未勝利となっている。対するアーセナルは優勝へ向けて痛すぎるドロー。“鬼門”で勝利を逃し、プレミアリーグでの連勝は「8」で止まった。
次節、アーセナルはアウェイ連戦となり、17日にウェストハムの本拠地に乗り込む。一方、リヴァプールは17日に敵地でリーズと対戦する。
【スコア】
リヴァプール 2-2 アーセナル
【得点者】
0-1 8分 ガブリエウ・マルティネッリ(アーセナル)
0-2 28分 ガブリエウ・ジェズス(アーセナル)
1-2 42分 モハメド・サラー(リヴァプール)
2-2 87分 ロベルト・フィルミーノ(リヴァプール)
【スターティングメンバー】
アーセナル(4-3-3)
GK:ラムズデール
DF:ホワイト、ホールディング、ガブリエウ、ジンチェンコ(88分 ティアニー)
MF:トーマス、ウーデゴーア(80分 キヴィオル)、ジャカ
FW:サカ、ジェズス(80分 トロサール)、マルティネッリ
リヴァプール(4-3-3)
GK:アリソン
DF:A・アーノルド、コナテ、ファン・ダイク、ロバートソン
MF:ファビーニョ(78分 フィルミーノ)、ヘンダーソン、C・ジョーンズ(60分 チアゴ)
FW:サラー、ガクポ、ジョッタ(60分 ヌニェス)