“瓢箪から駒”となるか? 突然の岸田総理“花粉症対策”号令の裏側
【映像】「花粉が出ないスギ」など既に出てきたアイデアの数々
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 10年に一度レベルの飛散量だとされる今年の花粉、岸田総理は国を挙げて花粉症対策に乗り出す表明をした。一体なぜこのタイミングで対策に本腰を入れ始めたのか。テレビ朝日 政治部 千々岩森生官邸キャップに話を聞いた。

【映像】「花粉が出ないスギ」など既に出てきたアイデアの数々

「今回、花粉症対策について、関係閣僚会議を開催することになりました。関係閣僚会議とは、これまでも、例えば犯罪対策や再生可能エネルギー、交通安全や観光立国など、テーマごとに関係する閣僚を集めて総理大臣をトップとして議論する場です。今回岸田総理は花粉症が社会問題だとして、関係閣僚会議を開催します」(以下、千々岩官邸キャップ)

 花粉症のピークを迎える前の1月2月ではなく、なぜこのタイミングで突然対策に乗り出すと言い始めたのか。実はその裏側には閣僚も驚きの“ある可能性”が…。

“瓢箪から駒”となるか? 突然の岸田総理“花粉症対策”号令の裏側
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「花粉症対策に関する関係閣僚会議の開催は、誰も予想しておらず、まさに寝耳に水でした。岸田総理の国会発言をよく聞くと『関係閣僚会議を開催し、対策に取り組んでいる』というもの。政府はすでに『関係省庁担当者連絡会議』という、役所の担当者レベルの会議を続けていた。恐らく総理の答弁書には『関係省庁担当者連絡会議』と記載されていて、これを岸田総理が『関係閣僚会議と誤って読んでしまった』と私は見ています。翌日、野村農水大臣も会見で『我々は全く知らぬ存ぜぬでびっくりした』と発言しています」

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「ある総理周辺は、発言の直後『たぶん総理の言い間違いだ…。あ〜、どうしよう』と困惑気味。一方、ある政権幹部は「発言が間違いでしたと修正するのもおかしい。せっかくだから会議をやればいい」と話していました。岸田総理の発言後、発言を修正すべきという意見と、花粉症は大問題だから進めるべきという意見が戦わされ、結果として関係閣僚会議の立ち上げが決まりました。初会合は4月14日に開かれる方向です。」

 思わぬ形で関係閣僚会議が立ち上がることになったようだが、花粉症対策の具体的な案は既に出ているのか。

「すでに動きは出てきていて、松野官房長官は会見で、発生源対策と予防治療法を進めると述べました。具体的にはスギの木の植替えという話が出てきています。まだ実用化には至っていないですが、“無花粉のスギや花粉の少ないスギ”など、突然変異で出てきたスギを増やしていこうという動きが始まっています。また予防や治療では舌下免疫療法などの花粉症に効果がある治療が出てきています。よりフレキシブルに利用できるようにすることも大事だと思います。」

 国民の多くが花粉症に悩まされているなか、省庁の縦割り問題などもあり中々進んでこなかった花粉症対策。一方、国民の8割が花粉症で仕事のパフォーマンスが低下したと実感したという統計や、1日あたりの経済損失は約2215億円にのぼるという調査も。きっかけは岸田総理の読み間違いだったとしても、花粉症対策で”瓢箪から駒”となるのだろうか。

「花粉症対策を本格的に進める理由は、国民の健康だけでなく、経済への影響もあります。読み間違いから突如始まった動きとはいえ、革新的な対策に今後期待したいところです」

(『ABEMA倍速ニュース』)

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