ジョアン・フェリックス

 チェルシーが、アトレティコ・マドリードからレンタル加入中のポルトガル代表FWジョアン・フェリックスの買い取りを望んでいるようだ。10日、スペイン紙『アス』やイギリス紙『デイリーメール』が伝えている。

 現在23歳のフェリックスは、今冬の移籍市場でアトレティコ・マドリードからチェルシーに今シーズン終了までの期限付きで加入した。デビュー戦では一発レッドカードを提示されるという憂き目に遭ったものの、その後は左ウイング(WG)やセカンドトップを主戦場に攻撃の中心として活躍。ここまで公式戦12試合に出場し2ゴールをマークしている。

 報道によると、チェルシーはフェリックスのこれまでのパフォーマンスを高く評価。オーナーを務めるトッド・ベーリー氏をはじめとしたクラブ幹部も、同選手を来シーズン以降のプロジェクトの中核に据えたいと考えており、完全移籍での獲得を希望しているようだ。なお、フェリックス自身もロンドンでの生活やチェルシーでの現状に満足しているという。

 現行のレンタル契約には買い取りオプションが付随していない。そのため、仮にチェルシーが完全移籍での獲得を目指す場合にはアトレティコ・マドリード側やフェリックス側と交渉を行うことが必須となる。『アス』によると、チェルシーは数週間以内にフェリックス獲得に向けた交渉を開始し、アトレティコ・マドリードと移籍金についての話し合いを行いたいと考えているという。

 2019年夏にクラブ史上最高額となる1億2000万ユーロ(約174億円)でアトレティコ・マドリードに加入したフェリックスだが、期待とは裏腹に圧倒的なインパクトを残すことはできていない。これまでの実績などを踏まえ、アトレティコ・マドリードも夏の移籍市場でのフェリックス売却の可能性を模索しているようだ。しかし、仮に同選手を放出する場合、アトレティコ・マドリードは莫大な移籍金を要求する可能性が極めて高いと『アス』は指摘している。

 なお、昨今の大型補強の影響で財政面の調整を迫られているチェルシーは、今夏の移籍市場での新戦力獲得を目指す場合には既存戦力の売却が必須になるとかねてから指摘されている。選手の売却を進め、アトレティコ・マドリードの要求額を準備できるかが、交渉の鍵を握ることとなりそうだ。