ABEMAボクシングチャンネルが、日本ボクシングコミッション(以下、JBC)とともにボクシングの試合においてビデオ判定を導入することを発表した。2023年4月16日(日)午後2時より全試合無料で生中継される『3150FIGHT vol.5』にて日本ボクシング史上初となるビデオ判定を導入する。
今回導入されるビデオ判定は「Video Testing System」(以下、VTS判定)と名称を定め、試合中に起きた人的確認だけでは判断しづらい状況をビデオ映像にて検証し、レフェリーが試合において迅速かつ正確な判定を下すためのシステムとして使用。なお、VTS判定を行う際は、大会会場にて映像を映し出し、観戦者も視聴者も試合状況を確認することができる。
VTS判定導入の経緯として、1月6日(月)開催の『3150FIGHT vol.4』にて行われた重岡銀次朗選手とダニエル・バラダレス選手のIBF世界ミニマム級タイトルマッチ戦が挙げられる。挑戦者・重岡選手が世界のベルトに初めて挑戦した本試合において、王者・ダニエル・バラダレス選手がバッティングで負傷し、試合続行不可能に。本大会のメインイベントが無効試合となり、ボクシングファンを中心にバッティングが故意なのか偶然なのかと議論が巻き起こった。
この事態を重く受け止めたJBCは、今後同じことが繰り返されないため。またボクシングの信頼を損なわないために、本システムの導入を決定。ABEMAが映像基盤となるシステムを構築し、提供する。
なお、日本ボクシング史上初の試みとなるVTS判定の導入に際し、JBC本部事務局長の安河内剛氏は「ABEMAの協力なくしては、今回(VTS判定)はできませんでした。この新しいシステムを今後活用していきたいと思います。(VTS判定を使用することで)かなり精度の高い判定ができるのではないかと思っています」とコメント。国際ボクシング連盟(以下、IBF)立会人のベン・ケイルティー氏も「IBFの会長も非常に素晴らしい、ぜひ導入していただきたいと言っていました。IBFは常にフェアな試合というのを目指していて、VTS判定を使うことによって非常にフェアな試合ができるのではないかと光栄に思っています」と期待を寄せている。
『3150FIGHT vol.5』では史上初となる同日および同一階級世界王座戦が行われる。IBF世界ミニマム級暫定王座決定戦にて、前IBF世界ミニマム級王者のレネ・マーク・クアルト選手とIBF世界ミニマム級4位の重岡銀次朗選手が。WBC世界ミニマム級暫定王座決定戦では、元WBO世界同級王者ウィルフレド・メンデス選手とWBC世界ミニマム級3位で重岡銀次朗選手の実兄である重岡優大選手が対戦する。