4月から給与のデジタル払いが解禁、2022年のキャッシュレス決済額は111兆円、さらには2025年の大阪・関西万博では現金使用不可などキャッシュレスの普及が進んでいる。
その波が神社・仏閣にも波及しているという。
名古屋市内にある480年の歴史を誇る亀岳林 万松寺には「キャッシュレス賽銭の自動販売機」が設置されており、賽銭用のコインが販売されている。
この自動販売機はキャッシュレス対応で本尊の十一面観世音菩薩が描かれたオリジナルコインを1枚500円で購入でき、お賽銭以外にも境内で使える通貨としても活用できる。
亀岳林 万松寺 大藤元裕住職は「海外の方がほとんどキャッシュレスだと気がついていた。彼らにも『お賽銭を投げてもらう』という古き良き日本の文化・風習を体験してほしいし継承したいなと」
観光地として選ばれる寺は全国でもごく一部しかなく、生き残りをかけて型破りな自動販売機を設置したのだという。
大藤住職が見据える未来。「VRでお寺を作ってみたい。アバターがお参りしてくださる世界もこれからはあるかもしれない。今までのお寺は非常に閉鎖的なだと思う。檀家さんだけのお寺も大変多い。年配の方だけでなく若い人も来られるお寺に変化していきたい」
元衆議院議員で神社仏閣の再生事業も行う宮崎謙介氏は「神社仏閣の多くは経営難で、寺院年収が100万円を切っているところがザラで坊主丸儲けと言われた時代は一昔前。2040年には寺は35%、神社は41%減少するという試算がある。さらにお賽銭を硬貨で銀行に持って行くと、両替手数料を取られるようになった。普通のお寺だと数パーセントを持っていかれて本当に痛い。こういう状況なので、賽銭のキャッシュレス化については話にはよく上がるが、伝統仏教の古い文化の中で『亜流だ、邪道だ』と言われてきた。だからこそ万松寺さんの取り組みは大きい」
ただ、キャッシュレス賽銭の自動販売機にも課題があるという。
「ポイントは非課税かどうか。お賽銭は宗教行為だから非課税。しかし、キャッシュレス賽銭の自動販売機は事業として見られたら課税対象になってしまうので、広がっていかない。そこをお役所がどう判断するか、今のところ課税対象となってしまう」(宮崎氏)
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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