マンチェスター・C

 チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝セカンドレグが19日に行われ、バイエルン(ドイツ)とマンチェスター・C(イングランド)が対戦した。

 準々決勝における最注目のカードの決着がつく。11日に行われたファーストレグはマンチェスター・Cがホームで3-0と先勝。3シーズン連続の準決勝進出を大きく手繰り寄せていた。さらに、15日に行われたプレミアリーグ第31節レスター戦も3-1と白星を掴んでおり、これで公式戦10連勝を記録。絶好調で大一番を迎えた。対するバイエルンは15日に行われたブンデスリーガ第28節ホッフェンハイム戦を1-1のドローで終えており、現在2戦未勝利。ホームで“奇跡の”逆転を狙うが、チーム状況は決して良いとは言えないかもしれない。

 マンチェスター・Cはファーストレグと同じ11名がスターティングメンバーに並び、ジョン・ストーンズ、ケヴィン・デ・ブライネ、アーリング・ハーランドらが先発入りを果たした。「保持時3-2-4-1」「非保持時4-3-3」の形が予想される。一方のバイエルンはファーストレグから2名を変更。マンチェスター・Cからレンタル移籍加入中のジョアン・カンセロが先発に名を連ねたほか、最前線には負傷から戻ってきたエリック・マキシム・チュポ・モティングが入った。

 試合は立ち上がりからハイレベルな攻防戦となったものの、突破には最低でも3点が必要となるバイエルンが攻勢を強める。16分、自でのボール奪取からジャマル・ムシアラがスルーパスを通すと、抜け出したレロイ・サネがファーストタッチでペナルティエリアに侵入し、飛び出してきたGKエデルソンを見てコースを狙ったフィニッシュ。ここはわずかにゴール右へと外れた。

 対するマンチェスター・Cにビッグチャンスが到来したのは35分。ペナルティエリア手前左寄りの位置からイルカイ・ギュンドアンがミドルシュートを狙うと、ボールはシュートブロックに入ったダヨ・ウパメカノの肘に当たってしまい、PKの判定。キッカーを務めたハーランドが思い切って左足を振り抜くも、シュートはクロスバーを超えて先制とはならなかった。前半はこのままスコアレスで終了している。

 後半に入ると徐々にマンチェスター・Cが徐々にゴールに迫る機会を増やしていく。55分には自陣でボールを奪ったところからハーランドのポストプレーで一気にスピードアップ。デ・ブライネのスルーパスに反応したジャック・グリーリッシュが背後のスペースへスルーパスを送ると、抜け出したハーランドが左足で狙う。ダイレクトで放たれたシュートはGKヤン・ゾマーに阻まれた。

 続く57分にはバイエルンのキングスレイ・コマンがチャンスを迎えたものの決められず。こぼれ球を拾ったストーンズが前線へロングフィードを供給すると、ここから一気にマンチェスター・Cがカウンターへ。前線でボールを拾ったデ・ブライネがドリブルで持ち運んで左斜め前へ預けると、パスを受けたハーランドは対峙したウパメカノが足を滑らせた隙を見逃さず、左足でシュートを沈めた。ハーランドの今季CLゴール数が「12」に到達し、得点王にも近づく貴重な1点でマンチェスター・Cが先手を取った。

 突破に向けて絶体絶命の状況となったバイエルンは80分、敵陣左サイドでボールを持ったサディオ・マネがドリブルでペナルティエリア内に侵入。左足での折り返しを狙ったボールがマヌエル・アカンジのハンドを誘発し、バイエルンにPKが与えられた。このPKをジョシュア・キミッヒがゴール正面へ蹴り込み、バイエルンが1点を返している。

 試合はこのままタイムアップ。マンチェスター・Cが180分間を通して安定感のある試合運びを披露し、3シーズン連続の準決勝進出を決めた。クラブ史上初のCL制覇にまた1歩近づいている。対するバイエルンは86分にトーマス・トゥヘル監督が退席処分になるなど、やや後味の悪い結末に。今季は“3冠”を狙っていたが、気が付けば残るコンペティションはブンデスリーガのみとなってしまった。

 勝利したマンチェスター・Cは準決勝でレアル・マドリード(スペイン)と対戦する。昨季の準決勝と同様の対戦カードだ。ファーストレグは5月9日または10日、セカンドレグは16日または17日の開催スケジュールだ。

【スコア】
バイエルン 1-1(2戦合計:1-4) マンチェスター・C

【得点者】
0-1 57分 アーリング・ハーランド(マンチェスター・C)
1-1 83分 ジョシュア・キミッヒ(PK/バイエルン)

【スターティングメンバー】
バイエルン(4-2-3-1)
GK:ゾマー
DF:パヴァール(77分 スタニシッチ)、ウパメカノ、デ・リフト、カンセロ(63分 A・デイヴィス)
MF:キミッヒ、ゴレツカ;サネ(63分 マネ)、ムシアラ(71分 ミュラー)、コマン
FW:チュポ・モティング(71分 テル)

マンチェスター・C(3-2-4-1)
GK:エデルソン
DF:アカンジ、R・ディアス、アケ(66分 ラポルテ)
MF:ストーンズ、ロドリ;B・シルヴァ、デ・ブライネ(88分 ウォーカー)、ギュンドアン、グリーリッシュ
FW:ハーランド(84分 アルバレス)