敵将を解任、ELキング… 鎌田大地が6年間で刻んだ輝かしい功績 今季限りの退団が発表された日本代表MFがフランクフルトに残したもの
【映像】 鎌田大地、過剰に痛がる相手選手に“冷酷すぎる視線”

今月12日、フランクフルト鎌田大地が今季限りで退団することを発表した。鎌田自身も同日に自身の公式Instagram(@kamadadaichi)を更新し、想いを綴った。

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鎌田は21歳で海を渡り、シント=トロイデンへの1年間のローン移籍を含めると6年間フランクフルトに在籍。特に直近4シーズンは絶対的な選手として先発起用され、活躍を続けてきた。2023年4月20日現在、公式戦171試合37得点31アシストを記録している。

そんな輝かしい実績とは裏腹に、彼の退団は現地のファンから悲観的な声があまり挙がっていないのは残念だ。それはなぜか。今回は日本代表MF鎌田が、フランクフルトで過ごした6年間を振り返りつつ、彼が“クラブに残したもの”について改めて紐解いていく。

大活躍で敵将を解任に追いやった“鎌田事変”

2017年夏、希望を抱いてブンデスリーガに挑戦した1年目のシーズンは日本とはあらゆる面で異なる環境への適応に苦しみ、1年間で公式戦わずか4試合の出場に終わった。

しかし、2年目のシント=トロイデン移籍が転機となる。後に5大リーグにステップアップする2人の日本人、冨安健洋遠藤航が所属していたチームで公式戦16得点9アシストという目覚ましい活躍を示したのだ。ベルギーでの圧倒的な実績を引っ提げて2019-2020シーズンよりフランクフルトに帰還した鎌田は、成長した姿を見せて主力に定着した。

際立つ活躍を披露したのが、同シーズンのUEFAヨーロッパリーグ(EL)だ。この大会で鎌田は10試合に出場し、6得点2アシストという圧巻の成績を残したのだ。

グループリーグのアウェイで行われたアーセナル戦では、チームを勝利に導く2ゴールをマーク。これは当時、アーセナルの指揮官だったウナイ・エメリ解任の直接の要因となり、チームの不甲斐ない成績にフラストレーションを溜め込んでいたグーナー(アーセナルサポーターの愛称)から感謝されることに。この"鎌田事変"は今でも、日本人のサッカーファンにとどまらず、世界中のアーセナルサポーターの間で語り草となっている。

フランクフルトになくてはならない男に

移籍4年目の2020-2021シーズンは地歩を固めるシーズンとなった。2シャドーの一角に固定されてユーネス、ヨビッチもしくはアンドレ・シウバと強力な3トップを形成し、ブンデスリーガで32試合に出場して5得点13アシストを記録した。バイエルンドルトムントといった強豪相手にチームを勝利へと導く重要な得点やアシストをマークし、勝負所で結果を残せるメンタル面の強さを示した。

5年目の2021-22シーズンは、ブンデスリーガでは前年に比べて平凡な成績に終わったものの、“EL男”ぶりは相変わらず。全試合に出場して5得点を記録し、チームを42年ぶりの欧州カップ戦王者へと導いた。

特に準々決勝のバルセロナ戦ではホーム、アウェイ共に戦術上のキーマンとして相手守備を混乱に陥れ、ジャイアントキリングの立役者に。バルセロナのチャビ監督も試合前に相手のキーマンに鎌田の名前を挙げていたが、相手の対策を上回るパフォーマンスを示した。

今季は絶好調の前半戦と絶不調の後半戦

トラップや長谷部誠らと並んでチームの顔役の1人としての地位を確立しつつあった今季は、球際の強さや展開力を評価され、ボランチへとコンバート。このポジション変更が鎌田をより輝かせることになった。ライン間でボールを受ける動きや、3列目からの攻撃参加で結果としてゴール数が急増。フランクフルトでは初の公式戦二桁ゴールを達成した。

しかし、昨年11月に行われたFIFA ワールドカップ カタール 2022が明けると状況が一変する。精彩を欠いたプレーが増え、ゴール関与数も伸び悩むようになった。2023年に入ってから、ブンデスリーガでゴールに関与したのは第18節のバイエルン・ミュンヘン戦のみ。その結果、最近はブンデスリーガではベンチスタートの試合が続いていた。

それだけに、ファンからの悲しみの声が少ないのは非常に残念だ。直近の試合で見せるパフォーマンスが少なからず影響しているのかもしれない。

順風満帆の前半戦と、絶不調の後半戦。とはいえ、シーズンを通した活躍という振り返り方をするならば、彼が今季で残した数字は素晴らしいものと言えるだろう。

改めてフランクフルトにおける鎌田の6年間の軌跡は、目覚ましい活躍の数々であり、数シーズンでステップアップしていく選手が多いチームにおいて、継続して結果を残し続けた。その点において、鎌田は高く評価されるべきだろう。

鎌田はUEFAのインタビューで「毎年チャンピオンズリーグに出続けたい」と力強く語っていた。彼のメンタルと実力があれば次なる新天地でも出場機会をつかめるだろう。

ABEMA/ブンデスリーガ)

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