ホアキン・サンチェス

 19日に、2022-23シーズン限りでの現役引退を発表したベティスのMFホアキン・サンチェスが、自身の引退セレモニーに臨んだ。20日、スペイン紙『マルカ』が伝えている。

 1981年7月21日生まれのホアキンは現在41歳。ベティスの下部組織出身で、2000年夏にトップチームデビューを果たして以降、おおよそ23年間に渡って第一線でプレーし続けている。ベティスでは在籍14シーズン目を迎えており、クラブ公式戦通算521試合に出場し、2度のコパ・デル・レイ優勝にも大きく貢献。また、バレンシア時代とマラガ時代を含めたラ・リーガ通算615試合出場は、622試合に出場したアンドニ・スビサレッタ氏に次いで、同リーグ歴代2位の記録になっている。

 ベティスの同僚やマヌエル・ペジェグリーニ監督らが、そして自身の家族が見守るなかで引退セレモニーに臨んだホアキン。まず、同選手は「肉体的な理由でも、飽きたからとかでもなく、僕自身の気持ちが、頭が引退を決断させたんだ。毎朝起きると、僕の体が『そろそろだ』と教えてくれていた」と引退決断の理由を明かした。

 またホアキンは、最愛のクラブで過ごした14年間を回顧。多くの思い出を懐かしみながら同選手は「14年という時間において、特定の出来事を切り取るのは難しい。僕は幸運にも、多くの素晴らしい瞬間を経験することができたから、なおさらね」と告白。続けて「もし、ひとつ選ぶなら、父に対して『僕はもう世界最高のチームの選手なんだ』と話した時のことだ。これらの日々は体験として、思い出として、僕が生きている限りは残り続けるだろう」と思いを馳せた。

 さらに、ホアキンは「ラ・リーガの選手になるというのが僕の人生の夢だった。そして、それを人生の半分以上の歳月で叶え続け、すでに自分史の一部になっている。僕のベティスなしには、今日までの人生は考えられない」と口にしつつ、「フットボールが必要以上に恋しくなりそうで怖い。濡れた芝の匂い、ロッカールーム、チームメイトと浴びるシャワー…。なるべく早く受け入れることができるように努力するつもりだ」と寂寥感を抱いているようだ。