【FAカップ】ブライトン0-0(PK:6─7)マンチェスター・ユナイテッド(日本時間4月24日/ウェンブリー・スタジアム)
ブライトンは、勝利すれば1983年以来となるFAカップ決勝の舞台に立つことができる好機だったが、その夢は叶わなかった。40年前にも同じ舞台で敗れた相手マンチェスター・ユナイテッドに大一番で敗戦を喫した。指揮官や現地メディアの評価に焦点をあてる。
互いに1歩も譲らない死闘はPK戦で決着
ウェンブリー・スタジアムで行われたこの試合、互いに一歩も譲らない好ゲームとなった。前半から両者しっかりとボールを保持してビルドアップ、そこへプレスを掛け合うという構図は非常に見応えがあるものだった。
5分にはブライトンがいい位置でフリーキックを獲得すると、アルゼンチン代表MFアレクシス・マクアリスターが壁の上を通過して落ちるボールでゴールを狙った。これをマンチェスター・ユナイテッドの守護神ダビド・デヘアが好セーブで止めてみせた。
反対に13分には、ポルトガル代表MFブルーノ・フェルナンデスが正確なミドルシュートでブライトンゴールに迫るも、今度はブライトンGKロベルト・サンチェスがパンチングでボールを弾き飛ばす。試合開始早々から両GKの好セーブが光る展開となった。
互いに決定機を作り出すもGKの活躍によってなかなか点を決められず、0-0のまま試合はPK戦へもつれ込む。両者6人連続で成功して迎えた7人目、ブライトン所属のMFソリー・マーチが痛恨のPK失敗。後攻のマンチェスター・ユナイテッドのキッカー、ヴィクトル・リンデレフがしっかりと決め切り、死闘を制した。
デ・ゼルビ「結果には失望しているが、我々は勝利に値した」
ブライトンのロベルト・デ・ゼルビ監督は、毅然とした態度でインタビューに応じた。
試合直後の心境について尋ねられると「結果にはとても失望している。なぜなら我々はマンチェスター・ユナイテッドよりいいサッカーをしていたし、決勝でプレーするに値したからね」とコメント。悔しさをのぞかせつつも、ブライトンの展開するサッカーへの揺るぎない自信が見てとれる言葉を残した。
デ・ゼルビは続けて「最後の20mで我々はあまりにも多くのミスを犯してしまった。最後のコントロール、マーチや三笘のところで何度かミスがあった。デニス・ウンダヴもね。だけど彼らのことをとても誇りに思っているし、大好きだよ」と語った。攻撃の質が普段に比べて低かったことを嘆きつつ、それでも素晴らしいプレーを披露した選手を労った。
この後デ・ゼルビは「我々は確実に強くなって戻ってくるよ」と締めくくった。
現地メディアは三笘にチーム3番目の評価
地元メディア『Sussex Live』による各選手の評価で三笘は10点中7点と高評価となった。最高評価は常に敵のチャンスの芽を摘んだモイセス・カイセド、2番目は好セーブを連発したサンチェスとなり、三笘はダンクやマーチらに並ぶチーム内3番目という評価だ。
この日、三笘が対峙したのはプレミアリーグで1、2を誇る対人能力を持つアーロン・ワン=ビサカだった。同メディアは「試合を通して三笘はワン=ビサカによって普段通りのプレーができなかったものの、前半に関してはスピードを活かしたカットインを見せ「チームの中でいちばんの脅威となっていた」と評価している。
また三笘は延長後半に入り、113分には味方との連係から決定機を作り出した。もしあそこでコントロールを誤らず、GKとの1対1を決めていたら間違いなく英雄になっただろう。
FAカップの敗退により、ブライトンはクラブ史上初となるヨーロッパリーグの出場権の獲得に全力を尽くすことになる。リーグ戦では残り9試合、マンチェスター・シティ、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッド、ニューカッスルといったトップ4との対戦を残しているため非常に厳しい挑戦だ。この敗戦を乗り越え、デ・ゼルビ監督が率いるブライトンがシーズン終了後、どんなサプライズを見せてくれるのか非常に楽しみだ。
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