【スーパーフォーミュラ】第3戦（決勝・4月23日／鈴鹿サーキット）
鈴鹿サーキットで行われたスーパーフォーミュラ第3戦で、初優勝を飾ったのは、『VANTELIN TEAM TOM’S』から参戦している宮田莉朋（みやたりとも）だった。
宮田は、なんと12番手からのスタートにも関わらず、実質11台抜きを果たし、劇的な勝利を勝ち取った。
途中でセーフティーカー（SC）が入ったタイミングでタイヤ交換をするなど、運に恵まれた部分もあるが、宮田のオーバーテイク（＝前のクルマを抜き去ること）のテクニックが優れていた面ももちろん大きい。
たとえば、リアム・ローソンをオーバーテイクしたシーン。SC中、宮田は、良いタイミングでタイヤ交換をしたことにより、3位へジャンプアップ。レース終了間際の25周目の最終コーナーで、前を走っていた『TEAM MUGEN』のローソンに迫ると、エンジンパワーを一定時間上げるオーバーテイクシステム（OTS）を使い、外側から一気に抜き去った。
ローソンといえば、F1のリザーブドライバーも務め、F1の下位カテゴリーであるF2でも優勝経験のある、実力は折り紙付きのドライバーだ。実際に、この第3戦ではローソン自身がスプーンカーブの外側から他車を大胆にオーバーテイクするシーンも見受けられた。このローソンを一発で仕留めたというだけでも、宮田の実力の高さが伺える。
また、鈴鹿サーキットでの外側からの追い越しといえば、元F1ドライバーも務めた伝説のドライバーである中嶋悟を思い出す往年のファンも多いのではないだろうか。
イン側をブロックされた時に、あえてその外側から抜き去っていくオーバーテイクは「大外刈り」と呼ばれ、今でもレースでよく使われる用語になっている。宮田は、これからも中嶋悟のように大胆な「大外刈り」でファンを湧かせてくれるに違いない。（ABEMA『スーパーフォーミュラ2023』／(C)JRP）
