トッテナムは24日、クリスティアン・ステッリーニ暫定監督の解任を発表した。アシスタントコーチを務めていたライアン・メイソン氏が今季終了時までの暫定的な監督として指揮を執ることとなる。メイソン暫定監督を支えるコーチングスタッフの編成については追って詳細が伝えられる。
トッテナムが“異例”の1カ月間で2度目の監督交代に踏み切った。クラブは3月26日にアントニオ・コンテ元監督と双方合意のもとで契約を解除したことを発表。2021年11月よりトッテナムを率いており、昨季はシーズン途中の就任ながらクラブをトップ4フィニッシュへと導いたイタリア人指揮官と袂を分かつ決断を下していた。
後任として暫定的にバトンを引き継いだステッリーニ氏は、自身の初陣となった4月8日開催の第30節ブライトン戦こそ2-1で勝利したが、同試合は後にプレミアリーグのプロ審判協会(PGMOL)によってブライトンの日本代表MF三笘薫がペナルティエリア内で倒されたシーンの“誤審”を謝罪される後味の悪いゲームでもあった。続く第31節ボーンマス戦は後半アディショナルタイムの失点で2-3と敗北。システムを変更して臨んだ23日開催の第32節ニューカッスル戦では立ち上がりから失点を重ね、1-6と大敗を喫することに。2シーズン連続のトップ4フィニッシュに向けて黄色信号が灯っており、ステッリーニ氏の手腕に対する疑問の声も見られていた。
このような状況の中で、トッテナムはコンテ元監督との契約解除から約1カ月後の24日にステッリーニ氏の解任を発表。今回の決断を受け、トッテナムのダニエル・レヴィ会長がクラブ公式HPにて声明を発表している。
「日曜日のニューカッスル戦のパフォーマンスは、見ていて打ちのめされるような、まったくもって受け入れがたいものでした。なぜあのようなことが起こったのか、その理由は複数考えられます。取締役会やコーチングスタッフ、選手たち全員が連帯して責任を負う必要がありますが、最終的には私の責任です」
「クリスティアンは、コーチングスタッフとともに現在の職務を離れることとなります。クリスティアンは我々のシーズンにおける難しい時期に就任していました。改めて、このような困難な時期であっても、彼とコーチングスタッフがプロフェッショナルな態度で対応してくれたことに感謝したいと思います。彼と彼のスタッフの今後の健闘を祈ります」
「クラブと選手をよく理解しているライアン・メイソンが即座にヘッドコーチの職務を引き継ぎます。コーチングスタッフについては、追って詳細をお知らせします」
「今日、選手たちと顔を合わせる機会を設けました。チームは今シーズンを可能な限り良い形で終わらせるため、団結することを決意しています。我々全員が、皆さんから素晴らしいサポートを受けるに値するパフォーマンスを提供しなければならないと確信しています」
メイソン氏は2021年4月、ジョゼ・モウリーニョ監督がシーズン途中に解任された際に暫定的にクラブの指揮を執ったことがある。今季のトッテナムにとって残るプレミアリーグは6試合。27日に控える第33節マンチェスター・U戦がメイソン暫定監督の初陣となる。