岩田智輝

 セルティックに所属しているMF岩田智輝がクラブ公式チャンネル『セルティックTV』のインタビューに応じ、今冬の加入からここまでの日々を振り返った。

 岩田は2022シーズンの明治安田生命J1リーグで横浜F・マリノスの3シーズンぶり5度目の優勝に貢献し、自身は年間最優秀選手賞(MVP)にも輝いた。シーズン終了後には海外移籍を決断。昨年12月30日に期限付き移籍でのセルティック加入が発表されていた。シーズン途中での加入ということも影響し、デビュー戦から途中出場が続いていたが、4月2日に行われたスコティッシュ・プレミアシップ第30節のロス・カウンティ戦で初スタメンに抜擢。16日に行われた第32節のキルマーノック戦でも再び先発入りを飾ると、リーグ公式のチーム・オブ・ザ・ウィーク(ベストイレブン)にも選出されていた。

 岩田は「やっと試合に絡めるようになってきましたし、先発も2試合あった中で、自分らしさを出せた良い試合でもありました。さらにセルティックの勝利のために、もっともっと自分が成長しないといけないなという部分もあったので、課題と収穫があった良い2週間だったと思います」と一定の手応えを明かした。「最初の頃は(環境)の違いがあって、自分自身慣れるのに大変な部分もありました」と認めつつも「選手やスタッフが早く馴染めるように色々サポートしてくれましたし、そのお陰で今はちょっとずつですがコンディションも上がってきて、チームの力になれているのかなと思います」と話している。

 続けて、岩田はセルティックを率いるアンジェ・ポステコグルー監督にも言及。両者は横浜F・マリノス時代、岩田が加入した2021シーズンの始動日から、ポステコグルー監督がセルティックへと旅立った2021年6月まで共に戦った経験がある。「やはり選手としてすごく幸せを感じてますし、色々な監督がいらっしゃいますが、ボスのやるサッカーがすごく魅力的だと思っています」と“恩師”への信頼を口にした岩田は「毎日の練習を楽しみながらやれているので、充実した日々を過ごせています」と、ポステコグルー監督の下で素晴らしいシーズンを過ごせていると主張した。

 セルティックは30日にスコッティッシュ・カップ準決勝で“宿敵”レンジャーズとの一戦に臨む。今季5度目の“オールドファーム”には、現在負傷離脱中のMF旗手怜央が間に合うかどうか不透明のため、岩田の先発も予想されている。スコティッシュ・リーグ・カップ決勝戦、そしてスコティッシュ・プレミアシップ第31節と2度の“オールドファーム”に出場した岩田は、ホーム開催となった後者の試合でその熱狂的な雰囲気に喜びを感じたという。

「ホームでのダービーは初めてで、やはりすごい熱量というか、今まで感じたことのない雰囲気で、僕自身『サッカーをしてきて良かった』と感じました。移籍してきて、この雰囲気を感じられて幸せだなと感じました」

 加えて、岩田はセルティックに在籍している日本人選手の存在についてもコメント。横浜F・マリノス時代やアンダーカテゴリーの代表でチームメイトだったFW前田大然には「家を探してもらった」と明かしつつ、「日本人選手がいてくれたことでチームに入りやすく、選手の名前や特徴なども教えてもらっていて、助かったなと思います」と話した。

 徐々にチームに適応している様子を感じさせる岩田について、チームメイトのU-22デンマーク代表MFマット・オライリーは前述のキルマーノック戦の後、「彼は戦車。いつもジムで上半身のトレーニングをしていて、きっと彼の腕は僕らの脚よりも大きいんじゃないかな」と述べていた。そのことに話が及ぶと、岩田は「盛りすぎです」と笑顔を見せる。続けて「自分自身、ジムにいないとちょっと気持ち悪い部分もあり、より強く速くなりたいとは思っています。このチームには強い選手、速い選手がいて、彼らに負けないように、もっともっと成長しないといけないと思っています。もっと戦車らしくなりたいです」と意気込んだ。