ドイツ・ブンデスリーガで働く唯一の裏方日本人 「ドイツ語ゼロ」で飛び込んだ行動力の源泉
「ドイツの飲食企業→FCケルン」華麗なる転身ができた理由
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 奥寺康彦、香川真司内田篤人、大迫勇也…。

 ドイツ・ブンデスリーガにおいて多くの結果を残してきた日本人。これからは「裏方」としても頭角をあらわすかもしれない。FCケルンでチーム運営を行う日本人に「行動力の源泉」を聞いた。

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 流暢なドイツ語であいさつをするのは、FCケルン 国際課プロジェクトマネージャーの笹原丈さん(28)。現在、ドイツ・ブンデスリーガ1部のFCケルンでフロントスタッフとしてチーム運営に携わっている。しかも、18のクラブチームでフロントスタッフとして働いている日本人は、笹原さんのみだという。

 堂安律選手、鎌田大地選手、吉田麻也選手など日本代表の主力メンバーが名をそろえるブンデスリーガ。そんな名門リーグ唯一の日本人フロントスタッフ・笹原さんは、いったいどういう仕事をしているのか。

「FCケルンのブランドや知名度を国際的に大きくしていく仕事をしている。我々FCケルンは、日本を一番のターゲットのマーケットとして日本を選んでいる。日本からのファンをもっと増やしていくことや日本の中で我々はこういうクラブだということを知っていただいて、知名度を上げる活動をしている」(笹原さん、以下同)

 笹原さんは日本人ファンの増加や、企業のスポンサー獲得など、日本とFCケルンの架け橋になるべく日夜奮闘している。学生時代からサッカーに熱中していたという笹原さんにとって、ブンデスリーガのクラブチームで働けることはまさに夢のような話だが、どういう経緯でFCケルンで働くことになったのか。

「2014年に一人でドイツへ来た。当時はもちろんドイツ語がゼロの状態で来たので、ドイツ企業で働いたり、ましてや大好きなブンデスリーガのクラブで働くとは正直夢にも思っていなかった」

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 当時19歳だった笹原さんは、はっきりとした将来の目標がなく、世界中でいろんなものを見たいという思いが原動力になりドイツに渡ったそうだ。

 しかし、半年ほど滞在したが、ドイツ語は身につかず、自分の無知を痛感するばかりだったという。

 このままでは何も変わらない。そう思った笹原さんは帰りの飛行機のチケットを捨て、必死にドイツ語の勉強を始めた。その後、ドイツの飲食系の企業に就職し、エリアマネージャーやデンマークに出店するためオープニングマネージャーを務めるなど、さまざまな仕事をこなしていった。

 6年後、次のステップアップをと考えていた笹原さんに、ある転機が訪れる。

「前の仕事をしていた会社がFCケルンの小さなパートナー企業で、(務めていた会社を通し)そこで自分の前に国際課をやられていた方が辞めるということで話をいただいた。FCケルンの仕事はずっとやりたかったし、自分が大好きなブンデスリーガのFCケルンで働けると思ったら、迷わず即答してやらせていただくことになった」

 そうして約1年半前、念願だったFCケルンで働くことができたそうだ。「このままではいけない」と自ら進む道を選び、夢を掴んだ。まずは「自分が何をしたいのか」想像することが大事だと振り返っている。

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「『何をしたいのか』常に抱き続けることが大事だと。自分が行動していなかったらこのチャンスを頂いていなかったので、行動すること、それのみだと思う」

 ブンデスリーガで働く唯一の日本人スタッフ・笹原さんのように、世界で活躍するためにはどういったことが必要になってくるのか。起業家・エンジェル投資家の成田修造氏は、次のようにコメントした。

「まず現在のビジネススキルや将来のために必要な能力、底力をつけていくことが結構大事になってくる」(成田氏、以下同)

 さらに、行動することが大事だと語っている。

「プラスして語学や行動力。行動力が唯一(他の人と)違っていたところなのではないか。だから、“行っちゃう”ことができる人だったらいくらでもチャンスがある。行くと日本人として求められることがあるから、とりあえず行ってみることが大事」

(『ABEMAヒルズ』より)

ブンデスで働く唯一の裏方日本人 「ドイツ語ゼロ」で飛び込んだ行動力の源泉
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