マンチェスター・C、アーセナル
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 フルマラソンのような長いリーグ戦において、もし「決勝戦」が存在するとしたら、それはこの試合だろう。首位アーセナルが2位マンチェスター・Cの本拠地に乗り込む。それでは現地時間26日に開催されるプレミアリーグの“天王山”をプレビューしよう。

[写真]=Getty Images

■戦績ではマンチェスター・C

マンチェスター・C、アーセナル
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 19年ぶりのリーグ制覇を目指す首位のアーセナルだが、状況を考えると追い込まれている。2位マンチェスター・Cとは5ポイント差だが、マンチェスター・Cは2試合も消化が少ない。そのためアーセナルは今回の直接対決に勝たないと、自力優勝の可能性が消えるのだ。

 アーセナルは、シーズン佳境のこの時期にきて足踏みが続いている。リーグ戦7連勝のあと、直近3試合はいずれも勝ち切れずに3連続ドロー。勝ち点を取りこぼしているのだ。対するマンチェスター・Cは最近9試合で8勝1分け0敗。現在6連勝中でアーセナルとの差を縮めてきた。さらにマンチェスター・CはFAカップで決勝進出を決めたほか、チャンピオンズリーグでもベスト4進出を果たしており、現実的に“3冠”が見えてきたのだ。

 近年の対戦成績を見ても圧倒的にマンチェスター・Cに分がある。プレミアリーグの対戦では、現在マンチェスター・Cが11連勝中! アーセナルにとっては、136年のクラブ史において特定のチームに対する連敗のワースト記録となっている。2019年12月にアーセナルの監督に就任したミケル・アルテタにとっても、監督としてリーグ戦で対戦経験がありながら一度も勝てていない唯一の相手がマンチェスター・Cなのだ…。

■オッズでもマンチェスター・Cが有利

マンチェスター・C
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 当然、オッズを見てもホームのマンチェスター・Cが圧倒的に有利だ。英国ブックメーカー『ウィリアムヒル』によると、マンチェスター・Cの勝利オッズが「1.53倍」なのに対し、アーセナルの勝利オッズは「5.5倍」。同日に開催される「チェルシーブレントフォード」でブレントフォードが勝利するオッズは「4.8倍」。ブレントフォードがスタンフォードブリッジで勝利するよりも、アーセナルの勝つ確率は低いと見られているのだ。今週ミッドウィークに開催されるプレミア全10試合の中で、最も勝利の可能性が低いのがアーセナルなのだ!

 データ会社『Opta』の勝敗予想を見ても、マンチェスター・Cが勝つ確率が「62.6%」なのに対してアーセナルはわずか「15.1%」。やはり、今節の試合でアーセナルは最も予想勝率が低いのだ。さらに、今回の天王山の結果による優勝予想のデータを見ると、マンチェスター・Cが勝った場合に彼らの優勝確率は驚異の「91%」まで上昇する。引き分けても「72%」と高い確率を維持。例えこの試合を落としても、マンチェスター・Cの優勝の可能性は「44%」も残るという。一方アーセナルは、この試合に勝てばようやく優勝の可能性が五分を超える(56%)。敗れた場合は「9%」まで引き下がるため、白旗を振ることになりそうだ。

■両指揮官

ペップ、アルテタ
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 2016年から3年半ほどジョゼップ・グアルディオラの右腕を務めていたミケル・アルテタ監督にとっては恩師との決戦だ。5ポイント差で首位に立っているとはいえ、リードはあってないようなもの。アルテタ監督も勝ち点3が必須だと理解しており、前日会見では「勝ちに行く」ことを誓った。

「プレミアリーグで優勝したいのなら、トッテナムやチェルシーの本拠地に乗り込んで勝たなくてはいけない。そして、我々はそうやってきた。今回は、マンチェスター・Cの本拠地に乗り込んで彼らを倒さないといけない。チャンピオンになりたければ、こういう試合に勝たないといけないんだ。だが、我々が勝っても優勝は決まらない。少しだけ優勝の可能性が増える程度だ」

 迎え撃つ恩師のグアルディオラも、この大一番の重要性を理解している。「少し緊張している。それは良い兆候だ」と会見で説明。「この感覚を感じないときの方が問題だ。私はこういうアドレナリンが好きなんだ。でも、夜はちゃんと眠れるので問題ない。チームも、この決戦に向けて準備はできている。難しい試合になるのは心得ているよ」

「我々は長いリーグ戦を戦ってきて、自力優勝を残したままこの時期を迎えることができた。もちろん、アーセナルにも自力優勝が残されている。彼らは、この試合に勝てば運命を握ることになるのだからね。だが、我々もこの試合に勝てば、間違いなく運命を自分たちの手で握ることができるんだ」

■現地解説者たちの見解

マンチェスター・C
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・クリス・サットン(元ブラックバーン) 『デイリーメール』紙にて

 3-1でマンチェスター・Cの勝利を予想。「この“プレミアリーグ決勝戦”において、勝者は一人しか考えられない。それは恐ろしいほど無慈悲で才能に満ちたマンチェスター・Cだ。グアルディオラは弟子のアルテタを倒して、熾烈な優勝争いにおいても主導権を握るだろう」

・レイ・パーラー(元アーセナル) 英ラジオ局『talkSPORT』にて

 引き分けを予想。「アーセナルにとっては非常に難しい試合になるかもしれないが、彼らは自分たちを信じて戦わないといけない。マンチェスター・Cに攻め込まれても、スピードで対抗してサイド攻撃からゴールを奪えるかもしれない。1-1の結果になることを願っている」

・マーティン・キーオン(元アーセナル) 英ラジオ局『talkSPORT』にて

 引き分けを予想。「アーセナルは何か特別なことを成し遂げられる気がする。勝てると信じたっていいと思う。でも、もしお金を賭けろというのなら、2-2の引き分けに賭ける」

・コロ・トゥレ(元アーセナル&マンチェスター・C) 『football.london』にて

 マンチェスター・Cの勝利を予想。「マンチェスター・Cのホームゲームなので、彼らが本命だろう。2-1の好ゲームになるだろうね。アーセナルではガブリエウ・マルティネッリが絶好調だし、ブカヨ・サカという驚異的な選手もいる。中盤が流動的なマンチェスター・Cはサイドが空くことがあるので、アーセナルのウィンガーが鍵を握るだろう。でも、アーセナルはまずはボールを奪わなくてはいけない。それが大きな問題なんだ」

・ガブリエル・アグボンラホール(元アストン・ヴィラ) 英ラジオ局『talkSPORT』にて

 マンチェスター・Cの勝利を予想。「マンチェスター・Cのクオリティ、そして中盤の強さは、アーセナルの手におえないと思う。3-1でマンチェスター・Cが勝つだろう」

・マイカ・リチャーズ(元マンチェスター・C、子供のころはアーセナルファン) 『BBC』にて

「アーセナルのファンは、簡単にいかないことなど分かっていたはずだ。(3戦連続ドローのあとも)何も変わらないはずだ。誰もがマンチェスター・Cの勝利を予想しているので、アーセナルにはプレッシャーがないはずだ」

 果たして、どちらが栄冠に一歩近づくのか。プレミアリーグの天王山から目が離せない。

(記事/Footmedia)

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