“試合再開”のコールとともにヒザが逆を向くホラーすぎる足関節が炸裂。一瞬の出来事に「ヒザを逆にしてしまった!」と実況が絶叫。あまりの早業に理解不能の放送席からは「え、えっ!?」「すごい角度だった…」と困惑の声が上がった。「あっ!」と短い苦痛の声を漏らした敗者はしばらく立ち上がれなかったが、互いにノーサイドで健闘を称え合った後、勝者の肩を借りて立ち上がると「ナイスファイト」「いい光景」「スポーツマンシップだな」など称賛の声も寄せられた。
4月22日にタイ・バンコクで開催されたONE Championship「ONE Fight Night 9」。ジャンロ・マーク・サンジャオ(フィリピン)とマティアス・ファリネリ(アルゼンチン)は1ラウンド1分過ぎ、サンジャオが秒殺のサブミッション勝利。ヒザが曲がってはダメな方向に曲がってしまう戦慄の足関決着に放送席は「うわぁ…」と言葉を失った。
過去5試合の全てをチョークで1本勝ちしているファリネリと、過去のONEの出場試合最長でも2分以内というサンジャオ。ともに“フィニッシュ”意識が高い同士で注目を集めたマッチアップ。
全ての展開に意味がある瞬き厳禁の攻防。ゴングとともにサンジャオが腰の入ったロー、ファリネリが前に出て連打を繰り出すも、ガードしたサンジャオが回し蹴り2連発を打ち込んでいく。すると、ファリネリがこれをスウェイで交わすド派手かつ息をのむオープニングが繰り広げられた。
サンジャオがカーフキックで足をえぐると、これが効いたファリネリはたまらず組みの展開へ。半身の体勢で防御するファリネリに対し、サンジャオは強引に足を伸ばしヒールを狙う。勢いあまってロープの外にはみ出しながら足は次第にあらぬ方向へと向き始めてしまう。すると、レフェリーがブレイク。しかし、リング内に戻されて再開した次の瞬間に悲劇が待っていた。
レフェリーの「レディ・ファイト!」の掛け声と同時に「ゴキっ」と不穏な音。「あっ!」と短いうめき声のような声が響くと、ファリネリは高速でタップ。あっという間にゴングが打ち鳴らされた。
“良からぬこと”が起こったことは確かだったが、あまりに速すぎる展開に放送席からは「え、えっ!?」と驚きの声が上がったが、実況は「ヒザを逆にしてしまった!」と声を上げた。
スロー映像で確認すると、ヒザが逆を向き曲がってはダメな方向に曲がってしまう衝撃のシーンが。これにはABEMA解説席の全員が「うわぁ、うわぁ…」と言葉を失った。
試合後、悶絶するファリネリにすかさず駆け寄って状態を案じたサンジャオ。するとファリネリは笑顔を浮かべ「大丈夫だよ」とジェスチャーを交えて気丈に振った。その後、サンジャオの肩を借りてファリネリが立ち上がると、視聴者からは「ナイスファイト」「いい光景」「スポーツマンシップだな」など、称賛の声が寄せられた。
実況を務めた西達彦アナウンサーは「怪我をしたくなければ早めにタップしないとダメですけれど、今のは一瞬でタップする暇もなかったですね…」と一言。勝ったサンジャオはマイクを向けられると「最初は打撃で行こうと思ったんだけど、そこに足首があったから引いたらバキっとイッちゃった」と試合を振り返った。