4月26日にエスコンフィールドHOKKAIDOで行われた北海道日本ハムファイターズ対オリックスの一戦で、打球がボールボーイに接触した際に、そのまま引っかかり、走者が相次いで生還するという珍しいひとコマが発生。ネット上の野球ファンの間で話題となっている。
【映像】ボールボーイに打球強襲!物議を醸したインプレー
2-0、日本ハム2点のリードで迎えた3回裏・日本ハムの攻撃、1死一、三塁という場面で、日本ハムの4番・万波中正の放った打球は、三塁線を鋭く抜ける一打に。しかし、この打球、三塁線を破った直後に、三塁側ファウルゾーンに待機していたボールボーイに接触。その足元にあったグラブケースにそのまま引っかかる状態となったが、プレーは続行し、オリックス守備陣がどうすることもできない状況の中で、三塁走者の今川優馬、一塁走者の奈良間大己が相次いでホームイン。打った万波も二塁へと到達するという、なんとも珍しい展開となった。
無論、このプレーに対し、オリックスの中嶋聡監督は、インプレーではなく、ボールデッド扱いなのではないかと、審判団に説明を求めることとなったが、審判団による協議の結果、インプレーという扱いは覆らず。記録上は、万波の2点タイムリー2ベースという扱いとなった。
4月28日にABEMAで放送された『バズ!パ・リーグ』では、このプレーを巡る審判団の判定について、元NPB審判員の坂井遼太郎氏に見解を求めたところ、「故意的な要素が無ければ基本的にはインプレーというのがルールですね。今回は椅子に座っていたんですけど、動作としては特に意図的に何かをしようという行為ではなく 明らかに(打球から)逃げようという行為の延長で、当たっているのでインプレーです。」と解説。少なくとも今回のケースについては、あくまでボールとの接触も、その後の展開も意図的なものではなく、ボールボーイが「ボールから逃げる」という当然の行為をした結果として、その延長に「ボールが引っかかったままになる」という状況が発生したために、ボールデットとはならないことを説明した。また、坂井氏によると、今回のケースとは違い、たとえばボールボーイなどが打球を拾い上げてしまった場合などは、ボールデット扱いとなるそうで、その場合は「審判員の判断で、ランナーの位置など、処置が取られる」(坂井氏)のだという。
その後日本ハムは、同じような事例が起きないよう、ボールボーイの待機場所をネットの中に変更し、ファウルボールが飛ぶたびにネットから出てボールを拾いに行くスタイルで再発防止を図っている。
なお、『バズ!パ・リーグ』では、4月14日の放送でも、「バックネット部分に設置されていた看板に引っかかった場合はインプレーとなる」という、球場特有のローカルルールにより、ボールデットとはならず“振り逃げ三塁打”が発生したケースを紹介。こちらも放送後、ネット上の野球ファンの間で話題となっていた。
(ABEMA『バズ!パ・リーグ』)