「身分証なしで働け、住居も携帯電話も借りられる」大分・別府ひき逃げ死亡事件 逃亡中の八田容疑者が関心をよせていた街“大阪・西成”を調査
【映像】西成の一泊500円の宿とは?
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 2022年6月29日に大分県別府市で発生したひき逃げ事件。信号で止まっていたバイク2台に軽乗用車が追突し、大学生1人が死亡、1人がけがをした。警察は現場から裸足で逃走した八田與一(はった・よいち)容疑者(26)を道路交通法違反の疑いで全国に指名手配。逮捕につながる有力な情報提供には遺族が最高500万円の懸賞金をかけているが、未だに行方はわかっていない。

【映像】西成の一泊500円の宿とは?

 八田容疑者の知人によると、以前から八田容疑者は大阪・西成に関心をよせ、西成の現状を紹介するYouTuberの動画を熱心に見ていたという。西成といえば、かつて女性を殺害し2年7ヵ月もの間逃亡を続けた市橋達也受刑者が、逃走資金を稼いでいた街でもある。なぜ八田容疑者は西成に関心をよせていたのだろうか?

ABEMA的ニュースショー』では、元徳島県警刑事の秋山博康氏が西成を訪れ、日雇い労働者が多いことで知られる「あいりん地区」と呼ばれる一帯を調査した。

「身分証なしで働け、住居も携帯電話も借りられる」大分・別府ひき逃げ死亡事件 逃亡中の八田容疑者が関心をよせていた街“大阪・西成”を調査
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 街を歩くと、まず目に入ったのが携帯電話のレンタルの看板。審査は不要とある。どういう事なのか、店の取材を試みるもNG。そこでこの一帯に生活する人に事情を聞くと次のように語った。

「簡単に言えば自分の名義ではない。架空の人物がいて身分証などを作って『契約は僕がしますよ』という人がいて、月2万円くらい」

 あいりん地区には様々な事情を抱えた人が生きていくために仕事を探しに来るため、身分証などの提示を求めない場合も多いという。

 また、街のいたるところで「生活保護」という文字が目に入る。八田容疑者は番組が独自入手した動画の中で、生活保護について次のように関心をよせていた。

「どうやって生きていくかって言ったら、生活保護というシステムがある。将来を見据えて安定した生活を送るっていう意味で」

 八田容疑者の痕跡はあるのだろうか?仕事を斡旋する会社に話を聞いた。1日の収入は平均1万円前後。資格が必要など高度な仕事の場合はさらに高い報酬が得られるという。

「従業員は200人いる。登録しているのは2000人くらいいる。今までやってきて八田という苗字は何人かしかいない。おじさんばっかりなんで。働く際は身分証明書はいらない」

 あいりん地区では事情を抱えた人でも住居を借りやすくしている。この地域に詳しい不動産管理会社の社長によると「保証人なし、保証会社なし、身分証もなしでも入れるような物件は全国で一番多いと思う。何か事情があって出てきた人がいるので、そういう所を考慮して昔からの風習としてある」

 さらに、この地区にはアパートなどに住まない人のために、多くの簡易宿泊施設が軒を連ね、ここを拠点に働きに出ている人も多いという。「三畳、一泊500円」の宿泊施設では身分証がなくても宿泊が可能で、共同風呂共同トイレ。こちらに何年も滞在している人もいるそうだ。

 秋山元刑事は八田容疑者の手配チラシを各所で配り、情報提供を呼びかけた。
 
 警察も情報提供を呼びかけている(別府警察署:0977-21-2131)ほか、番組でもTwitter(ABEMAニュース/@News_ABEMA)のDMでも事件や容疑者に関する情報を求めている。(『ABEMA的ニュースショー』より)

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