マンチェスター・Cは今夏の移籍市場にてポルトガル代表MFベルナルド・シルヴァが再び退団を希望した場合、評価額に見合ったオファーが届けば移籍を容認する方針のようだ。イギリスメディア『90min』が4月28日に報じている。
B・シルヴァに関しては過去2度も夏の移籍市場において移籍が取り沙汰されてきた。以前からB・シルヴァは、プライベートな事情を理由に母国ポルトガルの隣国スペインでのプレーを前向きに検討していると報じられており、中でもバルセロナでのプレーを熱望。昨夏に関しても移籍の噂はあったが、マンチェスター・C側に売却の意思はなく、残留が決定。迎えた今シーズンはここまで47試合の出場で5ゴール7アシストを記録。その貢献度は凄まじく、プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、FAカップの“3冠”を目指すチームの主力として活躍している。
マンチェスター・Cにとって絶対的な存在であることに間違いはないものの、クラブは今季が終われば“条件付き”でB・シルヴァの売却を認める方針だという。条件の1つ目はB・シルヴァが例年通り移籍を希望すること、2つ目はクラブの評価金額に見合ったオファーが届くこと。後者について、データサイト『transfermarkt』の市場価値は現時点で8000万ユーロ(約120億円)となっている。条件はあくまでクラブの評価額ではあるものの、双方の条件を満たした場合、クラブはB・シルヴァの移籍にゴーサインを出す見込みだ。
過去にもマンチェスター・CではB・シルヴァと似たケース、つまり選手側が移籍を強く希望した場合には条件を満たした上での退団を認めてきた。2020年夏にはドイツ代表FWレロイ・サネがバイエルンへ、2022年夏にはブラジル代表FWガブリエウ・ジェズスとウクライナ代表DFオレクサンドル・ジンチェンコがアーセナルへ移籍しており、B・シルヴァに関しても同様のパターンが想定されるという。以前からマンチェスター・Cを率いるジョゼップ・グアルディオラ監督も「このクラブでプレーすることを望まない者は、誰であろうと残ってほしくはない」と話している。
B・シルヴァに関してはパリ・サンジェルマン(PSG)も関心を示しているが、自身の希望する移籍先は間違いなくバルセロナだ。だが、バルセロナはPSGのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシの復帰を最優先する方針だと報じられている。財政問題の顕在化も相まって、今夏の移籍市場における動きは不透明となっており、B・シルヴァの獲得に動くことができるのかは未知数だ。けれども、仮にバルセロナがB・シルヴァの獲得に動き、評価額と差のないオファーを提示した場合、移籍が成立する可能性は高そうだ。
なお、バルセロナがB・シルヴァの獲得に動かない、もしくは評価額に見合った金額を提示できなかった場合、B・シルヴァは他クラブへの移籍ではなくマンチェスター・C残留を望んでいるという。現行契約は2025年夏までとなっているが、今夏のバルセロナ行きが実現しなければ、マンチェスター・Cとの契約延長に向けて動くことを決めているようだ。
まず、B・シルヴァは残る今シーズンでマンチェスター・Cを“3冠”へと導けるだろうか。そして、少し気は早いが、2023-24シーズンのB・シルヴァはどちらのクラブのユニフォームを身に纏ってプレーしているのだろうか。ピッチ内外で今後のB・シルヴァに注目だ。