三笘薫は“対人最強”DFへのリベンジを果たすことができるだろうか。PK戦までもつれ込んだFAカップ準決勝から早くも2週間が経った。ブライトンは日本時間5日に行われるプレミアリーグで再びマンチェスター・ユナイテッドと対戦する。
ブライトンにとっては欧州の舞台へ向けて非常に大事な一戦となる。この試合で注目を集めているのが、FAカップ準決勝で、三笘が「完敗」と認めたDFアーロン・ワン=ビサカとの再マッチアップだ。2週間前の試合では、三笘が同選手に何度も突破を阻止されるシーンが目立っていた。
今季、ほとんど1対1で負けることのなかった三笘が突破できなかったワン=ビサカは何がすごいのだろうか。
なぜ三笘薫は「完敗」したのか?
FAカップ準決勝の試合後、三笘はインタビューで「彼は対人も強いので、そこを考えながらやっていましたけど、最後のところで足が伸びてきたり、下げられるシーンが多かったので、本当に“完敗”かなと思っています」とワン=ビサカを評した。その言葉通り、この試合での三笘はドリブルで引っかかったり、突破から追いつかれるシーンが多かった。『Squawka』によると、ワン=ビサカは地上デュエル勝率100%を記録(6/6)。一度もドリブル突破を許さなかった。なぜ三笘はいつものようにドリブルができなかったのか。原因はワン=ビサカの守備戦術の高さにある。
ワン=ビサカは、常に三笘と良い距離感を保っていた。三笘にボールが入るとみるや、すぐに寄せて自由を奪う。巧妙なポジショニングと予測力で三笘に十分な仕事をさせなかった。また1対1の守備力の高さ以外にも、状況に応じては中への突破はカゼミロに任せるという味方との連係した守備も披露した。ここでもワン=ビサカの個人戦術の高さを示していた。
ワン=ビサカは他のサイドバックと何が違うのか?
三笘はここまで、プレミアリーグで対峙した数多くの選手を抜き去ってきた。土曜日に行われたウルブズ戦では、マテウス・ヌニェスを終始翻弄した。57分、左サイドでボールを受けるとフェイントで相手の重心をずらし縦へと抜き去った。それ以外にも、この試合では何度も突破を見せた。では、なぜこれほど突破力がある三笘がワン=ビサカに苦戦したのだろうか。
この試合のマテウス・ヌニェスは、本職は中盤の選手ということもあり、対峙した際に三笘との距離が遠く、縦のスペースを十分に消せていなかった。一方、ワン=ビサカは近い間合いに持ち込んで勝負する。常に半身でステップを細かく踏みながらフェイントに対応した。持ち前の身体能力の高さが成せる技だ。さらに縦と中のどちらかを制限することで、相手にドリブルの主導権を渡さなかった。
マンチェスター・ユナイテッドとの再戦へ
プレミアリーグ第28節の延期分にてブライトンはホームにマンチェスター・ユナイテッドを迎える。この試合の見どころはやはり三笘vsワン=ビサカの第二ラウンドだ。前回は一度もドリブル突破できなかった相手に、訪れたリベンジの舞台で突破できるのだろうか。
そこで重要となるのがオフザボールの動きだ。攻略のヒントとなるのが2週間前の試合でみせたワンフェイクである。30分の場面で、三笘はワン=ビサカの視野に入っているところから一度ボールホルダーのエストゥピニャンに近づく“ワンフェイク”を見せた。このフェイントでイングランド人DFの逆を突くことに成功した三笘は、相手ディフェンスラインの背後を取った。
三笘も圧倒的な対人能力を誇るワン=ビサカ相手の1対1の突破は難しいと肌で感じたはずだ。今回のリベンジの場では、いかに1対1となる前に勝負できるかどうかが攻略のカギを握るだろう。
(ABEMA/プレミアリーグ)(c)aflo