テオ・エルナンデス

 セリエA第34節が6日に行われ、ミランとラツィオが対戦した。

 現在セリエAのチャンピオンズリーグ(CL)出場権争いは熾烈を極めている。前節終了時点で6位のミランは勝ち点「58」、2位のラツィオは勝ち点「64」となっており、両者の差は「6」。ホームチームにとっては来季のCL出場権を確保するため、負けられない一戦となる。一方でラツィオも2位の座を死守し、ライバルとの差を広げるために勝ち点「3」を求めたい。注目の上位対決だ。

 ミランはターンオーバーを実施した前節クレモネーゼ戦からスターティングメンバーを8名変更。テオ・エルナンデス、ラファエル・レオン、オリヴィエ・ジルーらが先発に入った。一方のラツィオは前節サッスオーロ戦から3名を入れ替え。アレッシオ・ロマニョーリ、ルイス・アルベルト、チーロ・インモービレらがスタメンに並んでいる。

 試合は立ち上がりからホームチームが良い入りを見せるも、11分にアクシデントに見舞われる。R・レオンがプレー続行不可能と判断され、アレクシス・サレマーカーズとの交代を強いられた。

 ミランは“エース”が不在となったものの、安定した守備の構築からチャンスを狙う。17分には左サイド開いた位置でボールを受けたサレマーカーズが内側を走っていたT・エルナンデスを使うと、スペースへ入り込んでクロスボールを送る。最後はジルーが左足で合わせたものの、シュートは枠を捉えられず。それでも、直後のゴールキックでイスマエル・ベナセルが前からプレスに出て、マルコス・アントニオからボールを奪うと、ジルーとのワンツーから左足を振り抜く。難しいバウンドの一撃でゴールネットを揺らし、ミランが先手を取った。

 勢いに乗ったミランは29分、自ペナルティエリアでGKマイク・メニャンがボールを回収したところから素早く攻撃を開始。ボールを受けたT・エルナンデスはスピードを上げて寄せてきたセルゲイ・ミリンコヴィッチ・サヴィッチを振り切ると、斜めへの持ち運びで自らペナルティエリア手前中央のスペースへ。そのまま左足でミドルシュートを叩き込み、ミランが大きな追加点を挙げた。前半はこのままミランの2点リードで終了している。

 後半に入っても試合の様相は変わらない。ラツィオはなかなか良い形で自身から前進ができず、効果的に相手ゴールを脅かすことができない。対するミランは64分、サンドロ・トナーリの放った右コーナーキックからマリック・チャウが頭で狙うも、シュートはクロスバーの上へ。83分には背後のスペースへ抜け出したアンテ・レビッチが左足でゴールネットを揺らしたものの、オフサイドのため得点は認められなかった。

 試合はこのままタイムアップ。2試合連続ドローと足踏みが続いていたミランが3試合ぶりの白星を飾り、来季のCL出場権獲得へ貴重な勝利を収めた。一方、ラツィオは2連勝ならず。直近5試合で3敗目となり、追い上げてくる下チームとの差が縮まることとなっている。両チームの勝ち点差は「3」まで縮まった。

 この後、ミランは10日にCL・準決勝ファーストレグのインテル戦を戦い、13日には次節のセリエAで敵地開催のスペツィア戦に臨む。一方でラツィオは次節、12日にレッチェをホームに迎える。

【スコア】
ミラン 2-0 ラツィオ

【得点者】
1-0 17分 イスマエル・ベナセル(ミラン)
2-0 29分 テオ・エルナンデス(ミラン)