日本サッカー協会(JFA)は8日、FIFA U-20ワールドカップアルゼンチン2023に臨むU-20日本代表メンバー20名を発表(残る1名はコンディション等、確認後に追加発表)。同日にチームを率いる冨樫剛一監督が会見を行った。
3月に行われたAFC U20アジアカップウズベキスタン2023で本大会出場権を獲得した日本。約2カ月という短期間で本大会に向かうが、「日本がシーズン中ということもあり、たくさんの方にご尽力いただき、特にJリーグ各チーム、大学関係者に多大な協力をいただき、感謝しております。(コロナ禍を経て)ようやくワールドカップというところに育成のチームが参加できることができます。選手にとっても力がつく大会に参加できるということで、思い切ってプレーできるように整えていきたいと思います。南米の地でフットボールの強さを私たちも感じることができるでしょうし、またそこで、日本の若者がしっかりと戦う姿をぜひ皆さんに届けたいと思います」と意気込んだ。
アジア予選は23名だったが、本大会は21名の登録となる。選考について「アジア一にはなれませんでしたが、世界一という目標を下げるのではなく近づくためには、どういう選手を選んだらいいのか。特に最終予選のベスト4からその先の戦いを比較したときに、私たちが良かったものは、より良く。そしてできなかったものは、不足しているものなのか、意識の問題なのか。そういうところでしっかり精査をして、そして予選の当たる3チームを想定した中で自分たちのウィークをよりストロングにできるようなメンバー構成として、この選手を選出しました」「フィールドプレーヤー18名のポジションバランス、スペシャルな選手を何人選ぶか悩みました。また最終予選を戦い、その上へと考えた時、もともとシステムを含めて柔軟性を持っているチームだと思いますが、より新しい考えも持っている中、思考の柔軟性を持っている選手」と理由を説明。「選手には日常が大事、自チームが大切だと常に話している中、ポジションを取って、ゲームに出始めていることは、間違いなく日本という国にとってもすごく大切なことですし、私の選考も最後まで選ぶことが難しかった」と、Jリーグでも活躍の場を増やしている選手たちが揃っている状況で悩んだ末の決断と話している。
海外組は3選手を選出。バルセロナの髙橋仁胡は最終予選で選出していたが、シュトゥットガルトのチェイス・アンリ、バイエルンの福井太智は本大会に向けての招集となる。両選手の状況について、「福井に関してはバイエルンのセカンドチームでしっかりとレギュラーを取って、攻守に中心としてプレーしていることを確認しています。リスタートも彼が蹴っています。バイエルンの監督が変わったときにトップチームの練習にも参加して、ものすごくいい状態でいると思っています。アンリに関しても中心はセカンドチームになります。チーム自体があまり調子は良くなく、ゲーム展開に苦労している中、彼自身ももがき苦しみながらも、ゲームの中での環境あるいは相手のインテンシティ含めてしっかりと戦っていると感じています」と評し、「間違いなく力になる、必要になるということで選出」したと説明している。
同大会は当初インドネシアで開催が決まっていたが、宗教・政治問題(イスラエルの大会参加をインドネシアが拒否)により、4月に急遽アルゼンチンでの開催に変更となった。「私も南米に行くのが20年ぶりくらいですし、選手たちは南米にすら行ったことがないので、アルゼンチンの印象も何もない状態なので、むしろ知らないからこそ、すべてを受け入れる準備もできています。フットボールに集中してチームが戦っていけるようにしていければと考えています」とアルゼンチンでの開催にコメント。チームは11日に離日し、15日にはU-20アルゼンチン代表と練習試合(非公開)を行い、21日の初戦に向かう。アルゼンチン開催に突如変更、またリーグ戦がある中、初戦に向けて約10日間の準備期間を確保できたが、「1時間の時差を解消するのに1日必要と言われている。選手たちのコンディションあるいはケガも怖いので、そこまでに行ければと」と、スケジュールの希望はあったが、それにむけてJリーグや各チームの協力を得られたことに「選手たちと一緒に心に感謝も込めて、初戦からしっかり戦えれば」と、改めて感謝を口にした。
日本はセネガル(21日)、コロンビア(24日)、イスラエル(27日)とグループステージで対戦するが、「(セネガルは)個の戦いになるとレベルの高いチーム。どういう戦いをしてくるかを選手たちとしっかり共有して、なるべく自分たちの土俵に引き入れる戦いができれば」「(コロンビアは)昨年5月のフランス遠征で戦い、負けています。印象は強く、力のあるチーム。特にカウンターに鋭さがあり、前線の選手たちの個のクオリティが非常に高い。日本の雰囲気の中でやっていたら、たぶん一発でやられてしまうと思っていますし、選手もそういう印象を持っていると思うので、ある意味だから緩みがないゲームができる」「(イスラエルは)昨年のヨーロッパ選手権を現地で見ましたが、ものすごくいいチームです。私たちと似たようなゲームをしていて、コレクティブでテクニックもあります。身長は高くなかったですが、スピーディーな攻守を持っている。ただ、そこからあまり活動をしていないようなので、その間の状況含めてスカウティングし、最終戦で大事な戦いをしっかり戦っていければと思います」と、各チームを分析している。