「サイゼリアではなくサイゼリヤです。ヤです。発見次第摘発します」
【映像】「待って。今『サイゼリア』って言わなかった?」←失恋の瞬間
Twitter上で、間違った使い方をしている人に「いいね」を送るという方法で摘発行為を続けてきた「サイゼリア警察」。彼は3年5カ月にわたる活動の中で4万4000件以上“検挙”してきたが、突如「活動目的を失った」として引退した。一体何があったのか?
「サイゼリア警察」としてパトロールを始めたのは、当時付き合っていた彼女の些細な一言だった。
「32歳くらいの時に、車の中でどこでご飯を食べようかとなった時にサイゼリヤの話になった。会話の流れの中で、サイゼリ「ア」と言った瞬間があったらしい」
すると、彼女が突然鬼の形相になって一言。
「待って。今『サイゼリア』って言わなかった?」
彼女はとても怒り、なんとそのまま別れることになったという。彼女は大学時代に4年間サイゼリヤでバイトし、そのことが彼女の人生の糧になっていたために許せなかったのでは、と当時を振り返る。
突然の悲しい別れを経験し、彼は生まれ変わった。
「サイゼリヤなのか、アなのか、たった一文字の違いだけで大きな事件になってしまうことはあり得るんだなって」
サイゼリヤ警察誕生の瞬間だった。
「サイゼリア」と間違って使っている人を根絶やしにするため、精力的に活動を続けていたが、終わりは突然訪れた。きっかけはTwitterのフォロワーからたれこまれた、テレビ番組『カンブリア宮殿』に出演したサイゼリヤの正垣会長の言葉だった。
「『ア』でも『ヤ』でもどっちでもいいんです」
この事実を知った瞬間、「サイゼリア警察」の活動を停止させたという。
「トップ中のトップがどっちでもいいと言っていた、その衝撃は計り知れなかった。一番落ち込みました。どっちでもいいのであれば私の存在意義はもうない」
フォロワーからは存続を求める声も多いという。
国語辞典編纂者の飯間浩明さんによると、固有名詞ではない外来語を辞書に掲載する場合、「どちらが多く使われているか」が基準となるという。
「『ダイヤモンド』と『ダイアモンド』の場合、『ヤ』は古い時代によく使われた外来語に当てはまるケースが多い。結局どちらを使っても間違いではない。『ア』でも『ヤ』でもお互いに通じるかどうかが大事。日本語にはそういう懐の深さがあり、寛容な言葉。逆に『アかヤか警察』をしすぎると、日本語がやせ細っていく可能性も」(飯間さん)
(『ABEMA的ニュースショー』)
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