8日から新型コロナの位置づけが季節性インフルエンザ並みの「5類」に引き下げされた。
政府の決定を受け、星野リゾートは従業員のマスク着用撤廃を発表した。その一方で、飛沫防止のアクリル板などは撤去するものの、従業員のマスク着用を継続する施設や会社も多い。
そもそもマスク着用は「個人の判断」になっているが、街や電車などの公共空間、飲食店や商業施設では、まだまだマスクをした人が目立つ。なぜ、日本では“脱マスク”が浸透しないのか。
ニュース番組「ABEMA Prime」に出演した、ネット掲示板「2ちゃんねる」のひろゆき氏は「フランスもコロナ禍でマスク着用が義務だった。『もう着けなくていい』となったら、みんなしなくなった。日本以外で、まだマスクをつけている国はあまりない。フランスで歩く時も僕はマスクを持っていない。日本だと電車に乗る時もつけることが推奨されているから、すごく懐かしい」と話す。
その上で、ひろゆき氏は「日本はそもそもマスクを着けなければいけないというルールがない」と指摘。「個人で選べばいいので、みんなで無理に脱マスクしなくていいと思う。花粉症の人もいるし、着けたい人は着けたらいい」と述べた。
マーケットデザインの専門家で新型コロナ対策の政策提言なども行ってきた栗野盛光氏(慶應大学経済学部教授)は「自由放任には大賛成だ」とした上で「組織ごとに、最低のルールはあるべきだ。病院あるいは高齢者のリスクが多い場所ではルールを守って、あとは勝手にすればいい」とコメント。
マスク着用の同調圧力について、栗野氏は「自分だけが行動しても変わらない。他人をコントロールできないから『マスクを着ける』という状態に落ち着く。脱マスクの移行は難しい」と話す。
その上で「ナッシュ均衡」というゲーム理論の概念を紹介。ナッシュ均衡とは、利得が最大となる戦略をお互いが選択し合い、自分だけが行動を変えても得しない状況を指す。
栗野氏は「国によって違う。ひろゆきさんのように同調圧力に屈しない人が多い国はマスクを着けない。日本でエスカレーターの左に立っている人(※関東では右が多い)がプレッシャーを感じるように、一人だけ変えても、他の人が一斉に変わることは難しい」という。
「リスクの評価が曖昧になっている。どういう場面でどれだけ感染リスクがあるか。これがある程度分かったら、日本人は一歩前に進める。政府を含めたインフルエンサーがすごく大事だと思う。メッセージを発することで、困難な状況から別の状況に移ることがある。福岡市のエスカレーターも片方だったのが、今や両方に立つと最近ニュースで見た」
マスクを着け続けることでデメリットもある。「ニッセイ基礎研究所」が発表した「マスク着用が表情認識に与える影響」では、子どもの感情を読み解く力が弱くなっていた。
メンタリストのDaiGoは「日本人はルールを守るいい国民と言われていたが、そうじゃなかったと分かった。ルールを守るのではなくて、他人と違うことをしているのが怖いだけの臆病者の集団だった。日本人の心理を理解している人がトップに居ない。同調圧力もメディアが本気を出したら全然ひっくり返せる」とコメント。
ひろゆき氏は「子どもたちのデメリットは『保育園の先生は外そう』でいいと思う。でもそれ以外は、マスクを着けている人がいても、害はない。むしろ、新型コロナにかかっていたらマスクを着けてくれた方がいい」と述べる。
「コロナ禍の前から日本人は圧倒的にマスク率が高かった。フランスでは、マスクを着けていると『普通はマスクなんてしない。何かの病気なのか?』と“重病人”として見られていた。日本人は、花粉症もあったので着ける人が多かった。元々マスクが好きな習性がある。そこは変わらない」
(「ABEMA Prime」より)
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