注目の新団体だ。5月9日、堀口恭司が会見を行なった。

 すでに新団体旗揚げは告知されていたが、今回は団体名が発表に。公募から決まったネーミングは『TOP BRIGHTS』。一番の輝きを意味する。

「日本では海外に比べ、まだまだ格闘技の知名度が低い。この団体で認知度を上げたい。才能があるのに日の目を見ない“ブライツ”たちに夢を持ってほしい」

 そう語ったのは、団体の代表を務める堀口の兄、健太氏。第1回大会は9月9日、堀口の故郷である群馬県のアルソックぐんまアリーナで開催される。堀口恭司は団体のエグゼクティブ・プロデューサーに就任。

 試合はMMAに加えキック、堀口が学んできた空手(ジュニア部門)の試合も。MMAはアメリカと同じユニファイドルールを採用、試合はケージで行なわれる。すでに自団体のケージを発注しているそうだ。

 すでに選手の募集が始まっており、オーディションを経て出場者が決まるが、本格的なスタートはこの会見から。応募してきた選手のレベルに関しても「まだまだ」と堀口は率直に語る。

 ケージ、ユニファイドルールは「海外で勝てる選手がなかなか日本から出てきていないので」と堀口。

「『TOP BRIGHTS』を使って世界への切符を掴んでほしいですね。まだまだ先のことなので分からないですが、本当に強い選手が出てきたら(自身が指導したりアメリカに呼んだり)手を差し伸べたい」

 アメリカの関係者の視察、またアメリカの選手のスカウトなども考えており、従来の団体以上に“世界”と直結していると言えそうだ。

「まだ早いですけど、この新しい団体が日本のトップになれるようにしたい。それが楽しみですね」

 そんな夢を語った堀口。「トップになると自信をもって言える選手に出てきてほしい」、さらに「俺は絶対スターになれるという方は応募してください。今段階では誰もスターがいない。今あるチャンスを掴んでください」とカメラの向こうにアピールも。

 新団体の最大のポイントは、健太代表が言う「本物志向」だろう。「エンタメ要素はなくしていきます」とも。堀口はSNSでの舌戦などについて「認知度も必要なのでなしとは言えないですよね。少しは入っちゃう。そこはうまく合わせて。ただ裏方としては本物志向、競技として成り立たせたいです」。

 現役トップファイターが手がける団体、選手募集、オーディションというと、やはり『BreakingDown』との比較は避けられないだろう。堀口もそこは自覚的だった。

「(BreakingDownは)興行としてはいいですけど格闘技のイメージとしてはよくないなと個人的に思います。道を逸れてほしくないから本物志向で」

 堀口がそう語れば、健太代表も「武道の精神を大事にしたい。喧嘩とかではなくスポーツ、競技としての格闘技を広めていければ」と言う。

 ただBreakingDownの存在によって「いい意味で刺激されました」と堀口。格闘技のイメージを考えた時に、真逆である「本物志向」の団体が必要だと考えたという。また団体旗揚げには、師匠である山本“KID”徳郁の影響もある。

「KIDさんのジムにいた時に同じような取り組みをされていて。いつかは俺もやりたいなと思ってました」

 堀口恭司という選手のキャリアにも、格闘技界の現状にも深く関係している『TOP BRIGHTS』のスタート。さまざまな価値観がある格闘技界で、本流とも言える取り組みは重要だ。「本物志向」だからこそ時間がかかる面もあるが、その先には大きな“世界”が広がっている。

文/橋本宗洋

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