【プレミアリーグ】ブライトン1-5エヴァートン(日本時間5月9日/アメックス・スタジアム)
この試合は、エヴァートンのボックス内での守備意識の高さが光っていた。ボックス内でブライトンMF ソリー・マーチがシュートを放った場面で、エヴァートンの選手たちはシュートブロックに加えて、ニアとファーのコースも消していた。
【映像】ブライトンのフィニッシュワークを無効化したエヴァートン“鉄壁守備”ブロック
エヴァートンは前半を3-0で折り返すことに成功し、対するブライトンのデ・ゼルビ監督は、後半開始と同時にマーチを含む4人の選手をピッチに送り込むことで修正を図った。その効果があってか、後半はブライトンがペースを握る。しかし、なかなかゴールを決めることはできなかった。その要因となっていたのがエヴァートンの鉄壁守備ブロックだ。
エヴァートンの右WG アレックス・イウォビも最終ラインに吸収される形で5-4のブロックを敷き、自陣に引くことで相手のパスコースを消す上にシュートコースも限定することができていた。
特にこの守備の効果を発揮したのが63分の場面だ。ABEMAで解説を務めた元北朝鮮代表・鄭大世氏は、試合後の『Today’s Selection』でそのシーンに言及。「4人から5人のブロックを作り、マーチがシュートを打つ瞬間、枠の中に4人が入っている。シュートブロックに1人が入りファーを消す、他のコースも消す……どのラインもコースがないので、ボックス内でシュートを打っている超決定機のはずなのに、エヴァートンの選手が枠の中に入って守る意識を徹底しているから決まらない。それがブライトンの攻勢を阻んだ」と、ブライトンの決定機をふいにしたエヴァートンの守備力を分析した。
続けて「体を張って、みんなが避けない。背中を向けがちなのに、全員が最後までボールを見てクリアすることをダイシ監督が徹底していた。これが全てでしたね。前に出ていけない中で耐え凌いだ。相手のシュートに人数をかけて砦を築いた」と、バーンリー時代からゴール前で身体を張る守備を徹底させていたダイシ監督の守備戦術の手腕と、実行した選手たちを称賛している。
こうした自陣での撤退守備ができるのは、開始直後に先制点を奪えたからである。そこから無理に前へと攻める必要のなくなったエヴァートンの思い通りに試合が動いた。
(ABEMA/プレミアリーグ)