プレミアリーグはシーズンも終盤を迎え、意地のぶつかり合いが苛烈さを増している。優勝争いの熱さもさることながら、より混戦となっているのは来季のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権、UEFAヨーロッパリーグ(EL)出場権をかけた戦いだ。
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CL出場権は1〜4位のクラブが得られるが、すでにマンチェスター・シティとアーセナルは4位以上を確定させているため、残り2枠を争う形になる。またEL出場権は5位のクラブ、FAカップ優勝クラブが得られる。FAカップの決勝はマンチェスター勢の対決であり、両クラブとも5位以上でのフィニッシュが確実視されるため、6位にもELへの出場枠が与えられることになりそうだ。また勝ち点が同数で並んだ場合は得失点差で順位が決まることになり、特に混戦の模様を呈している今季は重要な数字となるだろう。
マンUの足踏み、リヴァプールの追い上げ...波乱のCL出場権争い
トップ4入り争いに参加するのは、ニューカッスル、マンチェスター・ユナイテッド、リヴァプールの3クラブだ。
ニューカッスルは残り4試合で7ポイント以上獲得すればCL出場権を手にすることができる。今年2月にはやや不調に陥ったものの、3月以降は調子を持ち直しここまで安定した結果を見せていることから、トップ4入りは確実視される。『Opta』の分析によれば、CLへの切符をつかむ可能性は91%以上であり、データ上からも4位以上でのフィニッシュは濃厚のようだ。
マンチェスター・ユナイテッドはここにきて2連敗を喫し、CL出場権争いでライバルクラブに遅れをとっている。得失点差でも他の2クラブから大きく離されており、クラブレジェンドのガリー・ネヴィル氏が「このままでは問題かもしれない」とコメントしたように暗雲が立ち込めている。ただ残る4試合のうち3試合はホームでの戦いであるため、このままいけばトップ4入りを達成できるだろう。
リヴァプールは現在リーグ戦6連勝と絶好調だ。クラブOBのジェイミー・キャラガーが「トップ4の可能性があるという話を始めることができるかもしれない」と、英メディア『Liverpool Echo』に語ったように、逆転でのCL出場権獲得が現実味を帯びてきた。今季は不調であったものの、依然として勝負強さには目を見張るものがあり、トップ4入りに期待感を持てる。
ブライトンは悲願のEL出場なるか 熾烈な6位争い
CL出場権争いをしている3クラブがすべて5位以上となるのは確定的であり、残り1枠をトッテナム、ブライトン、アストン・ヴィラで争うことになる。
アストン・ヴィラは名将エメリの就任以降は好調ぶりを発揮しているものの、このレースでは苦しい状況だ。ただ残る3試合のうち、2試合がトッテナム、ブライトンとの直接対決であり、望みは残っている。この2戦は必勝と厳しい条件だが、他クラブの状況次第では奇跡の6位フィニッシュがあるかもしれない。
ブライトンは2試合未消化で勝ち点を積む余地は十分に残しているものの、残る5試合のうち3試合が1〜3位のクラブとの対決と厳しい状況だ。またリーグ戦全試合に出場していたマーチの不在も大きく、大敗を喫したエヴァートン戦ではその影響が如実に出ている。しかし、悲願の欧州カップ戦出場へ向けてモチベーションは高いはずであり、ラストスパートに期待したいところ。リーグ戦で8試合得点から見放されている三笘薫のゴールに期待したい。
トッテナムは週末に控えるアストン・ヴィラとの直接対決を制せば、EL出場が濃厚だ。また2020-21シーズンには指揮官メイソンのもと、アーセナルとの争いを制してカンファレンスリーグの出場権をつかんでいる。当時と同じく暫定指揮官を務めるメイソンで2020-2021シーズンの再現なるかに注目だ。
プレミアリーグは優勝争いだけでなくCLやELへの出場をめぐる戦いでも激しさが増している。シーズン終了まで残り3週間を切ったなか、各クラブはどのような戦いを見せてくれるのだろうか。
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