ウスマン・デンベレ

 バルセロナが同クラブに所属しているフランス代表FWウスマン・デンベレに対して新契約のオファーを準備しているようだ。スペインメディア『ムンド・デポルティーボ』や『スポルト』が11日に報じている。

 デンベレに関しては昨年夏の段階で当時の契約が満了を迎えたものの、交渉の末にクラブと新たな2年間の契約を締結。迎えた今シーズンはここまで公式戦30試合の出場で8ゴール7アシストを記録。ハムストリングの負傷によりおよそ3カ月弱の間戦線を離脱していたが、4月29日に行われたラ・リーガ第32節ベティス戦でピッチに戻ってきた。キレのあるドリブルと両足から放たれる正確なキックを武器に、左右どちらのウイングでも高水準でこなす同選手は、クラブを率いるシャビ・エルナンデス監督の信頼も厚い。

 昨夏に結んだ契約の期間は2年間だったため、今シーズンが終了すると“ラストイヤー”に突入する。現行契約でデンベレの契約解除金は1億ユーロ(147億円)に設定されているものの、契約の最終シーズンに突入した段階でこの金額は半額の5000万ユーロ(約74億円)まで下がってしまう。他クラブが獲得に関心を示した場合に“プロテクト”する意味も含めて、バルセロナ営は今季終了時までにデンベレとの新契約締結を目指しているという。

 このような状況の中、バルセロナは両者の意思を明確にすべく最初の動きを見せたという。クラブのフットボールディレクターを務めるマテウ・アレマニー氏、スポーツディレクターを務めるジョルディ・クライフ氏、さらにはデンベレの代理人であるムサ・シソコ氏の3者がおよそ1週間前に話し合いの場を設けた模様だ。当時は金額などに関する具体的な話までは出ていなかったものの、選手としてのデンベレの意思を確認。デンベレ自身はバルセロナ残留を希望していることが伝えられたという。

 デンベレの残留希望を踏まえ、バルセロナは既に新契約のオファーを提示した模様だ。新契約の期間は2027年夏までの3年間になっているという。今夏でクラブを離れることが決まっているアレマニー氏にとっては、バルセロナで遂行する最後の重要任務の1つだと伝えられた。今後数週間にわたってクラブとデンベレの代理人によって交渉が続けられ、6月30日までには新契約締結に漕ぎ着けるスケジュールで進めているようだ。

 現在25歳のデンベレは2017年夏に移籍金1億500万ユーロ(当時レートで約136億円)でドルトムントからバルセロナに完全移籍したが、加入後は負傷に悩まされる日々が続いた。それでも、シャビ監督の就任以降は状況に変化が。負傷離脱の回数が徐々に減ってきただけでなく、ピッチ上でも存在感が増しており、シャビ監督は来季以降も主力の1人として計算しているという。

 果たして、デンベレは現行の報道通りバルセロナ残留に向けて新契約を締結することとなるのだろうか。今後の動向に注目が集まっている。