“世界最高峰”のリーグで頂点に立つのはどちらのクラブになるだろうか。
マンチェスター・シティが優位に立った印象の優勝争い。データ分析サイトの『Five Thirty Eight』によると、マンチェスター・シティの優勝確率は87%、アーセナルの優勝確率は13%となっている。首位チームが今後乗り越えなければいけない壁は何か。はたまた追うチームは、逆転優勝に向けてなにが必要なのだろうか。
優勝争いのカギを握るのは “ロンドンのクラブ”
5月12日時点でマンチェスター・シティは4試合、アーセナルは3試合を残している。勝ち点は現状1ポイント差で前者がリードしているが、ここで改めて優勝条件を整理してみよう。
シティは残り4試合で3勝以上すれば文句なしで優勝が決定する。また、この両者は得失点差でも14の開きがあるため、勝ち点が同一になった場合、得失点差でシティ優勝の可能性が高い。勝ち点が同一になる条件は、シティが2勝2分で、アーセナルが残り3試合を全勝した場合である。
つまりアーセナルの優勝条件は、自分たちが残りの3試合を全勝、かつシティが4試合で1分1敗や3引き分けなど、勝ち点を5ポイント以上落とすことである。
シティはビッグ6の意地を見せたいチェルシー、シーズン前半戦でシティに勝利しているブレントフォードと、ロンドンに本拠地を置くクラブとの2試合を残している。この2試合で勝ち点を落とすとなれば、皮肉にもアーセナルと同じロンドンのクラブが“アーセナルの救世主”になるということだ。優勝のカギを握るのは、当事者であるアーセナルも含めた“ロンドンのクラブ”といっても過言ではない。
シティとアーセナルの今後の対戦相手は?
シティの対戦相手は先述の2チームに加え、エヴァートンとのアウェイ戦と、三笘擁するブライトンである。特に前者はタフな戦いとなりそうだ。なぜならエヴァートンは試合に勝利すると、プレミアリーグ残留に大きく近づくからである。グディソン・パークの声援を背に、勇敢に立ち向かってくる選手たちは脅威に違いない。
しかし、シティにとってエヴァートンは好相性の相手かもしれない。エヴァートン監督ショーン・ダイシはジョゼップ・グアルディオラに対して、通算15試合で1分14敗と相性が最悪なのだ。逆にペップからすると、ダイシのチームの攻略法を完全に熟知しており、難しいアウェイでも勝機は十分にある。
一方、アーセナルの対戦相手はブライトン、ノッティンガム・フォレスト、ウルブスの3チームである。いずれもシーズン前半戦に勝利を収めており、順当にいけば勝ち点3を得られるだろう。
しかし、ここにきてDF陣の負傷に悩まされている。すでに今季絶望が決定していた冨安健洋、サリバに続いて、ニューカッスル戦でジンチェンコが負傷。ウクライナ代表DFも今季絶望が決定した。冬に加入したキヴィオルとティアニーはその穴を埋めることができるかどうかが、残りの3試合での3連勝に大きな影響を与えそうだ。
レジェンドたちの見解は?
リヴァプールOBジェイミー・キャラガーは、シティが優位ととれるコメントを出している。「ある試合でシティはベンチからフォーデンとベルナルド・シウヴァが出てきた。一方アーセナルは、ゴールを決めたいときに計算できる交代カードはトロサールくらいだ。選手のクオリティの差が、シティがタイトルを獲得した場合の理由だよ」とコメントしている。
一方、マンチェスター・ユナイテッドOBギャリー・ネヴィルは、アーセナルが最後まで粘りを見せるという考えだ。「数年前のアーセナルであれば、シティとの直接対決に負けた後に引きずってしまい、不本意なシーズンエンドになっている。しかし今年は違う」と、若きチームの実力に太鼓判を押している。
シティがこのまま盤石の戦いを見せ3連覇を達成するのか。それともロンドンのクラブが助太刀しアーセナルが優勝を勝ち取るのか。最後までハイレベルな優勝争いが期待されている。
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