デクラン・ライス

 ウェストハムを率いるデイヴィッド・モイーズ監督が、同クラブに所属しているイングランド代表MFデクラン・ライスの去就について語った。イギリスメディア『BBC』が12日に同監督のコメントを伝えている。

 現在24歳のライスは2013年夏にチェルシーのアカデミーからウェストハムの下部組織に移籍し、プロデビューを飾ってから同クラブ一筋でここまでキャリアを積んできた。現在は18シーズンもの間ウェストハムに在籍したイギリス人MFマーク・ノーブル氏が昨季限りで現役を引退したことを受け、クラブの“レジェンド”から腕章を引き継いでキャプテンを務めている。今季はここまで行われたウェストハムの公式戦52試合のうち45試合に出場。イングランド代表でも主力としてEURO2020やFIFAワールドカップカタール2022の全試合にスタメン出場するなど、今やイングランドサッカー界を代表する1人の選手として活躍を続けている。

 そんなライスについてはかねてより移籍の噂が取り沙汰されてきた。アカデミー時代を過ごした“古巣”のチェルシーを筆頭に、マンチェスター・Uやリヴァプールも関心を示している。中でも本腰を入れて獲得を画策しているのがアーセナルで、夏の移籍市場の“トップターゲット”として数々の報道が出ている。プレミアリーグのビッグクラブからの関心が相次ぐ中、先日には1億2000万ポンド(約204億円)相当のオファー、または1億ポンド(約170億円)の移籍金と選手の譲渡という条件でウェストハムが売却を容認すると報じられていた。

 このような状況の中、モイーズ監督がライスの去就に言及。「我々は彼の残留を望んでいる。ウェストハムの選手としてプレーし続けてほしい」と前置きしつつも「現在の状況がそうさせないかもしれないことは認識している。それはシナリオの1つだ。我々の計画は間違いなく彼がここでプレーし続けることだが、今後のウェストハムに彼がいないことも承知している。彼にとってはチャンスなのだから」と話した。冬の移籍市場では「(他クラブにとっては)ノーチャンス」とライスの売却を完全否定していたが、今夏は売却が避けられないとの考えを明かした。

 ライスとウェストハムの現行契約は2024年夏に満了を迎える。契約には1年間の延長オプションが付随しているが、現時点では今季が終了すると契約の“ラストイヤー”に突入する可能性が高い。果たして、ウェストハムの“大黒柱”として活躍を続けてきたライスは、夏の移籍市場でビッグクラブへのステップアップを果たすこととなるのだろうか。ライスの去就に注目が集まっている。